お願いフルーツ「その他」

読書の記録 北方謙三『水滸伝』8巻

読書の記録 北方謙三『水滸伝』8巻
毎週土曜は読書の記録。
3週連続で
北方謙三『水滸伝』です。
今日は8巻。

官軍vs梁山泊は
祝家荘が舞台になりました。
ついに聞煥章の扈三娘に対する
異常な愛情が芽吹きます。
私は聞煥章の愛情に
少なからず共感を覚えます。
愛情とは、
このように叶わないものであれば
異常な育ち方をするのでしょう。

しかし、
そうした不安定な愛情は
純度は高く、
多少歪んでいたとしても、
その者のなかでは
尊いものとして
完結しているものなのです。

知らんけど。

祝家荘戦から出てくる、
北方水滸伝のもう一つの魅力は
解珍のタレでしょうね。
猟師の解珍解宝親子は
梁山泊が祝家と官軍を打倒するのに
キーとなるわけですが、
その親父の解珍のほうが、
長年作り続けている秘伝のタレが
美味しそうにもほどがあるのです。

私は学生時代、
はじめて北方水滸伝を読んだとき
この解珍のタレを真似て
「ワクイダレ」を作っていました。
醤油ベースで水は使わず、
毎日毎日、様々な調味料や
香辛料、野菜や肉やキノコ類を
煮込んでは何か別の液体を継ぎ足し
それを繰り返すことで、
なんともいえない、
濃厚濃密ドロドロで、
私以外気持ち悪くて
誰も近づかないようなものを
作り込んだわけですが、
面白がってシナモンを
入れたところ、
全てが台無しになりました。
あの時以来、
私はシナモンに対して、
恐れに近い畏れを抱いています。

全19巻のなかでも、
何かと印象深い巻ですね。
TOP