お願いフルーツ「その他」

知らんけど物語

知らんけど物語
ライブハウスが
苦境に立たされています。

早い段階で
クラスターが発生したことが
大きいのだと思いますが、
世の中に沈殿していた
「清く正しくない場所」
というイメージが、
今回、新型コロナウィルスの
感染拡大により、
大義名分のようになってしまい、
「ほら、見たことか!」
「前からあんなところは
必要ないと思っていたのよ!」
という意見が
出しやすくなったという
印象を受けます。

知っている人は知っている、
というのは
至極当たり前のことでありますが、
ライブハウスは
そのような
危険な場所ではありません。
密集密閉密接の三密という意味では
確かに客の多いイベントは
危険だと思いますが、
それ以前に抱かれてしまい、
沈殿している、
負の要素はありません。

しかし、
もともと、
負のイメージを逆手にとって、
閉ざされた空間で、
「わかるやつが集まって、
わかるやつで面白いこと、
やっていこーや」というノリで
生まれたのが
ライブハウスだった気も
するのです。

実際のところ、
ライブハウス誕生秘話なんてもの、
私は知りませんのですが、
一般社会で受け入れられにくい
善良な大人と言われる人々から
つまはじきされるようなセンスを、
クラスの中に1人2人、
いるかいないかのマイノリティの
センスを、
ギュッと集めて、
世の中のつまはじき者たちを
開放する場所として、
ライブハウスは
できたのではないか、
と思うのです。

知らんけど。
ほんまに知らんけど。

知らんけど、
ひと昔前はほんまに
やばいオッサンが、
集まる場所であったことは
知っています。
長髪で口が悪くて、酒呑みで、
何をして生計を立ててるんか、
よくわからんのに羽振りはよくて、
歯とか欠けてるし、
タバコ吸いまくるし、
下ネタ言いまくるし、
なんか汚いのに、
女にモテまくるオッサン。

ああいうオッサンの
救済の場として
在った気もしているのです。

ああいうオッサンたちが
集う場所なのですから、
よい子のみんなは
近づいちゃダメですよ、
という教育が為されるのは
むしろ当然のことであり、
それが故に、
禁止されているから
覗いてみたい、という、
鶴の恩返しのような心理で
(カリギュラ効果という)
閉ざされた空間を覗き込み、
その世界に惹き込まれる若者が
だいたい統計では
クラスに1人2人いるかいないか、
というところではないのかしら。

その閉ざされた世界では
基本的に市井を
バカにしているわけです。
俺たちみたいなおもろい感覚を
持ち合わせてる人間を
こんな狭いとこに
閉じ込めておかないと、
うまく回らん社会お疲れ!
俺らはこっちで
面白いことやっとくわ!
てなもんでして、
自分たちを認めない
つまらない大人たちに
反旗を翻し、
好き放題やる場所として、
アウトローたちに
支持されてきたという側面が
少なからずあると思うのです。

そうなると、
面白いもので、
もともと世の中が、
つまはじきにした者たちが、
今度は世の中を
つまはじきにしだすのですね。

ライブハウスに
出入りすることにより、
他とは違う、という、
優越感を得られるわけです。

私はこの優越感を
抱いたこともありますし、
逆にこの優越感によって、
場から弾かれることもあります。

どうせあなたには、
私たちの音楽の良さなんて、
わからないんだから、
入ろうとしたってダメですよ。
あなたのようなセンスの無い人間が
ここに入ることは認めません。

という、
わからない人を寄せ付けない
空気を出してる表現者も
中にはいます。

あ、ライブハウスの話でした。
表現者個人の話では
ありませんでした。

話を戻しましょう。
ライブハウスで、
閉ざされた場所で、
なんか面白いことやってるのに、
寄っていけないことに、
羨ましさとか嫉妬とか、
そういう気持ちを抱いている人、
けっこう多い気がします。

あんたたちだけ、
楽しいことやっててズルい!
こっちはいつも、
いろんなことを我慢しながら
生きて生きて、
ストレスの解消方法といえば、
オナニーくらいしか無いのに、
なんか楽しそうな場所で、
楽しそうじゃないの!!

っていうやつ。
在ると思うんですよね。
ほんまに知らんのですけど。
オナニーが気持ちいいことは
知っていますけど。

しかし、
もし、そうだとしたら、
いま、ずっと閉ざされていた
ライブハウスという空間が、
オンラインで表現を配信していて
これまでライブハウスに
つまはじきにされていた人たちも
その鋭い感覚に
触れる機会ができておるのです。

そういうところで、
これまで近寄らないようにしていた
危ない場所の空気に
ちょっと触ってみてほしいのです。

それで
「やっぱり無理」となったら、
それはそれで
結構なことだと思いますし、
1回観てみるだけで、
頭の中で思い描いていたものとは
違うということはわかるはずです。

お互いがお互いを
つまはじきにし合って
成立していた世界がいま、
未知のウィルスの感染拡大と
闘うなかで、ついに手と手を
取り合うことになったぞ!!
という、
結果になっていけばいいのにね。

別にこんなことを
書きたかったわけではないような
気もするんですけど。
オナニーは気持ちいいですよ。
それだけは知っている。
あとの話は全部知らんけどや。























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