お願いフルーツ「その他」

当面の間

当面の間
新型コロナウイルスの
感染拡大の影響で、
いまも営業を自粛している
飲食店があります。

鳥貴族は政府の
緊急事態宣言延長を受け、
5月6日までとしていた
全国の直営393店舗の休業期間を
「当面の間」に延長しました。

また、飲食店ではありませんが、
京都では京都駅周辺の
ジェイアール京都伊勢丹や、
京都アバンティ、
京都駅前地下街ポルタは、
当初、5月6日までとしていた
休業期間を「当面の間」に
延長しました。
 
ここで気になる
「当面の間」という言葉。
近頃よく
耳にするようになりましたが、
将来の時間を表す言葉には
「当面」と「当分」があります。
「当分の間」という
言い方もあります。
「当面の間」という言葉については、
「『当分の間』と『当面』の
混交表現で誤りだ」、
「いや、誤りではない」と
どちらの意見もあります。
 
この「当面の間」という言葉、
最近になってやたら
耳にするようになったと思いきや、
実は いまから9年ほど前にも
多用されていました。
増えたのは
2011年3月11日の
東日本大震災の後です。

※上記、「NHK放送文化研究所」の
サイトを参考にしました。
下記も同サイトから引用。

当時、「朝日新聞」「毎日新聞」
「読売新聞」「産経新聞」と
「共同通信」の記事を
検索した調査があり、
それによると、
2011年の1年の間に使われた
「当面の間」は
あわせて「538件」で、
2010年の「214件」の「2.5倍」に
なりました。

ちなみに、
2009年は「342件」、
2008年は「259件」、
2007年は「237件」だったそうです。
2011年が突出しているとはいえ、
それ以前にも、
それなりに使用されていますね。
 
当時は 様々なところで、
「当面の間」が登場していました。
例えば、震災後の計画停電に
関連して、金融機関のお知らせには、
「当面の間、ATMコーナーの
営業時間を短縮します」という
表現が、たびたび、
登場していたそうです。
NHK放送文化研究所のサイトでは、
「いつまで続くか、
現時点では判断できない」という
戸惑いが、「当面の間」という
表現ににじんでいるとしています。
 
「当面」は「今のところ」
「さしあたり」という
意味を含みます。
「当面、問題はなさそうだ」
「当面、人員は足りている」
といった使い方をします。
いっぽう、「当分」「当分の間」は
「当分、家へは帰れない」
「当分の間、
入院することになった」など、
ある程度長い時間がかかる場合に
用いられます。
 
では「当面の間」とは?
震災の後は「当面」の時間では
解決できない問題に対して、
「当面」より長く、
「当分」より短い印象を与える
言葉として、
「当面の間」という表現が
多用されたのではないか・・
ということなんですが、
まさに今の休業期間の延長にも
当てはまりますね。

今回の記事はほとんどが、
「NHK放送文化研究所」からの
引用です。
「当面の間」になんとなく、
引っかかっていたのですが、
ずいぶん前に同じ言葉に
引っかかっていた人がいたのですね。
しかし、
震災の頃には「当面の間」なんて
気にしたことがありませんでした。
震災よりも、
いまのコロナ禍のほうが
自分にとって、
当事者意識が
強いということなのでしょうか。
それとも、この9年の間に
日本語の使い方について、
いろいろ考えるようになったから、
でしょうか。

個人的には
それなりに使われている2009年の
「当面の間」は
どんな使われ方だったのか?と、
2012年以降の頻度も
気になるのですが、
もう調べてはくれないのかしら。

「NHK放送文化研究所」の
「当面の間」について
書いているページは、
「当面の間」で検索すると、
出てくるので、
ご興味ある方は是非そちらを
ご覧になってみてください。

ここにURLを貼れば、
それでいいんですけど、
興味あるんだったら、
そのくらい手間かけなさいよ。
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