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読書の記録『カササギ殺人事件』下巻

読書の記録『カササギ殺人事件』下巻
上巻で探偵は
犯人の見当が
付いている感じでした。
故に後編は謎解きになるのだろうと
なんとなく思っておりましたが、
しかし、本当に
上巻と同じボリュームで
謎解きをするのか?
と読む前から、
いろいろ考えておりましたが、
素人の一読者のなんて、
所詮は作家の手のひらで
転がされることしか
できないのです。

最初私は
何か違う物語を
読まされているのかと思いました。
実際、上巻と下巻では、
全く違う物語なのです。

私はさほどいろんな本を
読んだことがあるわけではないので
この手の手法が、
よくあるものなのか、
珍しいものなのかはわかりませんが、
私はこれまでに、
この手の手法の本を
読んだことがなかったので、
非常に新鮮で、
こいつは一本取られました!と
手のひらでオデコを叩くという、
これでもかというくらい、
古典的な手法で作者への
敬意を表しましたね。

そういえば、
この作品は全編通して、
これでもかというほどに、
アガサクリスティへの
オマージュが
込められているそうです。
だとするならば、
私がオデコを叩いた
上巻と下巻の見事な分け方も、
実はアガサクリスティへの
オマージュなのかもしれません。

わかりませんが。

一つ言えるのは、
何か芸術作品に触れるときに、
予備知識があれば、
ある場合の楽しみ方ができ、
予備知識がなければ、
ない場合の楽しみ方ができる、
ということです。

一度知識を得てしまえば、
知識がない場合の楽しみ方は
もうできなくなります。
私はアガサクリスティを知る前に
カササギ殺人事件を知ったおかげで、
幸いにして、
知識がない場合の
楽しみ方ができたので、
今度はアガサクリスティを
読んだうえで、もう一度、
カササギ殺人事件を読み返して、
知識を得た場合の楽しみ方をしたい。
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