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読書の記録 北方謙三『水滸伝』11巻

読書の記録 北方謙三『水滸伝』11巻
天地の章という副題が
付いていることから
「あ、晁蓋死ぬな」とわかります。

水滸伝の登場人物のうち、
梁山泊に入山する108人には
それぞれ星の名前が付いていて、
そのうち36人が「天◯星」、
72人が「地◯星」です。

宋江とともに
2トップである晁蓋は
どういうわけか、
この108人に含まれていません。
そこで天と地どちらともを
司る「天地の星」を
晁蓋ということに
しているのでしょう。

オリジナルの水滸伝では、
晁蓋は曾頭市の史文恭という男に
毒矢で殺されたはずですが、
北方謙三は果たして、
どんな風に晁蓋の最期を描くのか。
史文恭が登場したあたりから、
そこについては
ワクワクしておりました。

あと、
好戦的な晁蓋と
煮え切らない
宋江の言い争いの場面に
辟易としておりましたので、
残酷ではありますが、
死ぬなら早よ死ねという思いも
抱きながら読んでおりました。

それにしても、
あんなにめちゃくちゃな物語に
一本芯を作り、
これだけ面白い作品に
アレンジし直した北方謙三の手腕は
もっともっともっともっと、
世の中に知られていいはずなのに、
「水滸伝」というだけで、
もう興味を失くす人が多い。

さらにせっかく少しばかり、
興味を持ってくれた人も、
全部で19巻あるといったら、
たいがい諦められてしまう。

悲しい。
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