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昼寝とパワーナップとフェイクヒストリー

昼寝とパワーナップとフェイクヒストリー
昨日に続いて今日も俳句のお話。

6月3日の「毎日新聞」に
昼寝を題材にした俳句が
何句か紹介されておりました。
「昼寝」は夏の季語だそうです。

愕然として昼寝覚めたる一人かな
(河東碧梧桐)
魂が身にぶっつかり昼寝覚め
(上野泰)
はるかまで旅してゐたり昼寝覚
(森澄雄)

最近は昼寝を
推奨する企業もあり、
「積極的な仮眠」のことを
「パワーナップ」というそうです。

たった20分の「パワーナップ」が、
脳のパフォーマンスを向上させる・・という研究結果もあるそうです。
なんでも、人の体というのは、
夜中の‪2時から4時頃‬と
お‪昼の2時から4時頃‬に
眠気のピークが訪れるように
体内時計が
設定されているそうですから、
昼下がりに眠気がやってくるのは
「当たり前」の現象であり、
眠気に誘われるままに
眠ってしまうほうが
効率的なんだそうです。

ただ、仮眠は
「30分以内」にしておかないと、
体が「深い眠り」に到達してしまい、
寝覚めが悪くボーッとした状態に
なってしまうため、
パワーナップは20分前後の短時間で
済ませることがヒケツだそうです。

別にパワーナップを
意識したことはありませんが、
お昼間にいつの間にか
10分ほどウトウト眠ってしまい、
目覚めたときに3時間ほど
寝たんじゃないかと思うくらい
スッキリしていることがあります。
あれは知らずうちに
パワーナップしていたのでしょう。

こうやって、
どちらかというと
「やってしまっていた」ことが
カラダに良いことであると、
科学的に証明されると、
正しい生き方をしていると
お墨付きを得られたようで嬉しい。

6月12日の長崎新聞に
深く眠っているさまを表す
「ぐっすり」という言葉について
書かれていたので、
私も『広辞苑』で調べてみたところ、
一つ目の意味のところに
「物事を十分にするさま」と
書かれていましたが、
「眠り」以外のことを
十分にする際に
「ぐっすり」とは
普通言わないですよね。

長崎新聞によると、
「ぐっすり」の語源が
「Good Sleep」だというのは、
ウソらしいです。
江戸時代の書物に
「すっかり」というような意味で
「ぐっすり」を使っている文章が
あるんだそうです。

「ぐっすり」は眠りにしか
使わないことが、
俗説の流布した原因でしょうか。

それにしても、
「ぐっすり」の語源くらいなら
かわいらしいものですが、
世の中には都合よく
過去をでっちあげる
「フェイクヒストリー」なるものも
あるので気をつけないといけません。

6月11日の「産経新聞」で、
麗澤大学准教授の
ジェイソン・モーガンさんが、
例えば、ファシズム政権下の
イタリアで
「ローマ帝国の再生」といった
ウソの歴史が蔓延していたと
指摘しています。
また、旧ソ連の場合は
反対派の粛清などを行った
共産党の歴史を捏造して
血塗られた政治史を
正当化しようとしたと書いています。

こういう例は
探せば際限なく
いくらでも出てくるはずです。

そういうことが無いためにも、
正しい歴史を後世に伝えるためにも、
公文書や議事録といったものは
無くてはならないものです。

お菓子の老舗も、
しっかりと
創業した年を書いて残していれば、
後世に訴訟が起こることも
なかったかもしれませんね。
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