京都フルーツ

1人目の客になれた話

1人目の客になれた話
涌井慎です。
趣味はオープンしたお店の
1人目の客になることです。

今日の目当ての店は、
一昨日、オープン前の内覧会?
レセプション?
ローンチパーティー?
とにかく、
お披露目会がありまして、
オープン前にも関わらず、
SNSなどで、どんなお店なのかが
各方面でアップされておりました。

こういうお店の場合、
すでに大勢の方が、
1人目以前の客になっているので、
私の活動の意義が、
危ぶまれてしまうのですが、
その辺のことは確たる条件に
縛られることなく、
曖昧にしています。

何かと境界線を引いて、
分断を煽る世の中ですから、
趣味くらいは、
テキトーに雰囲気もので
楽しみたいです。

なにより問題は、
それだけオープン前から、
SNSで話題になっている、
ということは、
早めに行かないと、
1人目になれないということです。

40分前に並んでおけばよいだろうと
思っておりましたが、
念のため、50分前到着を目指し、
四条烏丸のなじみの駐輪場を
出発しました。

幸い天気が悪く、
いまにも雨が降りそうな気配。
店に行こうとしている人たちも
足踏みしそうです。
降水確率と同じくらい、
行くのをやめる人が
増えるのではないか。

お店にとっては
良くないことでしょうけれど、
私にとっては渡りに船であり、
恵みの雨であります。

だけども、
問題はやはり、今日の雨。
傘がない。
傘を持ってくるのを忘れました。

それでも、
行かなくちゃ、
君に会いに行かなくちゃ、
君の店に行かなくちゃ、
雨に濡れ。

辿り着いたら誰も居ません。
庇というのか、
屋根というのか、
わかりませんが、
お店の入口で雨宿りを
させていただきながら、
あとはただ開店の時間を待つのみ。

SNSにアップされている
投稿の中身までは
確認しておりませんでしたが、
入口にお店の概要が
丁寧に説明されたビラが
貼ってありました。

ハイライト食堂は
京都の地で皆様に愛されて
2020年で60周年。
創業者が家族に作っていた
「幻のカツサンド」が令和の時代に
グレードアップして登場します!!

期待が高まる。
どうせなら、
こんなビラを撒けば、
お隣の国も北と南で
仲良くなれたであろうに。

15分前、
振り返ればメガネに
チェックの半袖シャツの
おじさまが私の後ろ、
思いやりの距離を保ちながら
待機し、店の外観を
撮影しておられます。

10分前、
次から次へと、
お客様が来られます。
60年の歴史をもつ、
ハイライト食堂の
ファンなのでしょう。
これに関しては、
私だって学生の頃から、
けっこうお世話になってるからね。

これのために
朝ご飯を食べずにいるので、
早く開いてほしいのに、
あと5分が長い、長い、長い。
慕うほど時は鈍く流れゆくのだ。

7月3日・金曜日午前11時、
綾小路柳馬場西入ルにオープンした
「ハイライト カツサンド」の
1人目の客は私です。
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