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レジ袋有料化と昭和の暮らし

レジ袋有料化と昭和の暮らし
小売店にレジ袋の
有料化を義務付ける制度が
始まったのが7月1日。

この日の「日本経済新聞」の
コラムがいまから14年前に起こった
ある事件について
取り上げていました。
 
2006年、福岡県のとある地区で、
お昼すぎ、交番のカウンターに
新聞紙で包まれた
不審な立方体があるのを
警官が見つけました。
弁当箱を2つ重ねたぐらいの
大きさです。
 
県警は不審物として
爆発物処理班を出動させ、
周辺の道路を封鎖、
テレビは生中継を始めました。
X線撮影をすると
何やら円筒形の物体のようです。
緊迫感が増すなか、
騒ぎを聞いた近所の
80代の女性が名乗りでました。
不審物は日ごろお世話になっている
交番の巡査さんに、
お礼の気持ちをこめた
缶ビール6本入りパックでした。
 
女性にしてみれば、
長らくなじんできた
新聞紙という身近な品を
再利用した包装だったのですが、
すでにこの頃・・
2006年には「怪しい」と
思われてしまうほどに
廃れていたということか・・
と日経新聞のコラムは綴っています。

そのうえで、
プラスチック製の薄くて丈夫な袋は、
私たちの生活の隅々に
空気のように入り込んだ。
買い物での利用の後は
ゴミの処理や分別に、
旅行の際は小物の分類に
重宝している・・と続けています。
 
かわってコチラは
6月30日の「北海道新聞」の
コラムから・・
 
いまや「買い物かご」といえば、
インターネットで
商品を購入する際に
見る機会のほうが
多いかもしれませんが、
昔は「買い物かご」といえば
「籐(とう)」で編んだものが、
おなじみだったのでは
ないでしょうか。

コラムによると、
ポリエチレン製レジ袋が登場した
1970年頃から、見かける機会が
減っていったと記事にはあります。
 
その当時といえば、
アルマイトのボウルを持って
豆腐店に走り、
ビール瓶は洗浄して返却。
お刺身などを包む経木は
滅菌作用もあり、
そのまま燃やせる
究極のエコグッズでもありました。
 
東京都で「昭和のくらし博物館」を
開く小泉和子さんによると、
「くらしは人間が
生きていくための土台。
社会や時代そのものである」と
著書に書いています。

例えば「ちゃぶ台」。
ちゃぶ台の普及する前に
一般的だった箱膳は、
身分順に並び、身分に応じた膳を
使用する封建制度を
象徴するものでしたが、
家族全員が集まって
ちゃぶ台を囲む一家団欒は、
身分制度から
解放されたことの証なんだそうです。
そのちゃぶ台が
出しっぱなしのダイニングテーブルに
取って代わられたのが
昭和50年代のこと。
これは外食やテイクアウトが
定着した時期と重なり、
朝食抜きやお箸の持ち方を
知らない子供が増えたのも
この頃ではないか?
というのが小泉さんの分析です。
 
さてさて、
レジ袋の有料化によって、
暮らしはどんな風に
変わっていくのでしょうか。
 
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