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京都怪談巡礼

京都怪談巡礼
夏といえば「怪談」。
『京都怪談巡礼』は
去年7月に
淡交社から出版されています。
著者は堤邦彦さん。
京都精華大学人文学部の教授で、
世の中の役に立たないと
みなされてきた「怪談研究」を
ライフワークにしている方です。
 
そのような方ですから、
京都という町にやってこられたのは、
引き寄せられた
といってもいいのかもしれません。
京都といえば
怪談の宝庫でもあります。
都大路の闇を練り歩く百鬼夜行、
陰陽師の妖怪退治などのほか、
小野小町や
宇治の橋姫などにまつわる伝承、
鳥辺野、化野、蓮台野など、
葬送の地にまつわる言い伝えなど、
数えあげればキリがありません。
 
『京都怪談巡礼』では
そんな京都を舞台にした
怪談のなかから、
有名な中世以前の話にとどまらず、
これまであまり
注目されてこなかった
近世版の「京都の怖い話」にも
フォーカスしています。

また、面白いのが、
怪異小説や
名所記の記述を手がかりに、
物語の舞台になった場所へ
実際に訪れて、
取材をしているところです。
このあたり、
怪談研究をライフワークとして、
フィールドワークを重ねてきた
堤さんだからこそ、
なせる技ではないでしょうか。

京の境目が、
イコールこの世とあの世の境目であり
そこに妖怪が現れるというのが、
実に興味深いです。

それにしても、
どうして
妖怪の研究をされている方って
ご自身も妖怪っぽいのでしょうか。
だんだん近づいていくんでしょうか。
そういうところも、
実に興味深いです。
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