京都フルーツ
大好きな作家の方に会えた話
昨日、仕事の関係で、
ある作家の方に
お会いすることとなりました。
私はその作家の方の作品を
今年に入るまで
読んだことがなかったのですが、
日経新聞や朝日新聞、
それに毎日新聞などで、
その作家の方のコラムを読んでおり
面白いことを書く人だな、と
感心しておりました。
歴史小説を書く方だということは
調べればすぐにわかったので、
いつか読みたいと思いながら、
実際に古書市などで、
その作家の方の書いたものを
買ってもいたのですが、
いかんせん、
プノンペン、
スタンハンセンの左腕のような
分厚さであったために、
本棚に立てたままにしていました。
いや、
正しくは立てたままにしています。
いまだにそっちの小説は
読んでおりません。
しかし、
今年の四月頃だったでしょうか。
別の菅原道真を題材にした
その作家の方の小説を買って
読んでみたところ、
これが想像していた以上に
私に見事にヒットして
フィットして、
ハッとしてGOODでして、
私の感性は刺激ビンビン物語。
やっぱりコラムが面白い人は
小説も面白いよなーと、
本来ならば小説の面白い人は
コラムも面白いよなーと、
思うんだろうなーと、
私は入りが逆だったなーと、
そんなことを思いながら、
別の作品も読んでいこーと、
なんとなく考えていたところ、
なんと、
その作家の方の作品が、
直木賞候補作となり、
しかも、その作品が、
その出版社の作品としては、
実に六十年ぶりくらいに
ノミネートされたということで、
さらに加えて、
その出版社というのが、
京都の出版社だということもあり、
私の働く京都のラジオ局にも、
是非ともその旨を
宣伝してくれないですか、
というようなお話があったらしく、
そんな話が私のところに
辿り着いたわけです。
そこで、
私はもちろん、
その直木賞候補作を読み、
番組の中で直木賞について触れ、
その作家の方の
作品についても触れ、
ああ、やっぱり
面白いコラムを書く人は
面白い小説を書くのだなーと
感心しておりますと、
その作家の方は
京都出身なので、
番組出演もできますよ、
という話までいただいたのです。
京都出身京都在住ということは
知っておりまして、
京都をテーマに書かれた
エッセイ集も読んでおりましたので
いつかお会いできるのではないか、
ということは考えておりましたが、
まさか、こうも早くに
それが実現するとは思いもよらず、
ただただ恐縮しつつも、
せっかくお越しいただけるなら、
リスナーの皆さんにとっても、
その作家の方にとっても、
ラジオの時間が
面白い時間になってほしいと思い、
質問シートなんぞを
作成したものでした。
そうして時は流れ、
いざ、ゲストにお迎えする前日、
せっかくお越しいただくのですから
お土産を用意せねばと思い、
私は前述したエッセイ集に
その作家の方が、
京都のお漬物のなかでも、
大藤というお店のものは
とても美味しいというようなことを
書いておられたな、と思い出し、
16時過ぎに局を出て、
麩屋町にある
そのお店へ行ったところ、
新型コロナウイルス
感染拡大防止のため、
当面営業時間は16時までとします、
と貼り紙に書かれており、
ああ、どこまでも私は、
そういうタッチの差で、
いろいろを外してしまう人生だよ、
と嘆いておりましたが、
調べてみると、
大丸京都店にも
大藤のお漬物が
売っていることがわかり、
急いで大丸へ直行し、
地下の漬物売り場を探してみると、
品揃えはさほど豊富ではないものの
あったあった、ありました。
大藤さんのお漬物。
本来は千枚漬けの
有名なお店らしいですが、
季節が違うので売られておらず、
はてさて何にすべきか、
悩んだのですが、
定番と書かれてある
ゆず大根とお茄子のお漬物を買い、
レジにて薄い紙袋に包んでもらい、
局へ戻りました。
局へ戻り、
同僚にこれを明日、
その作家の方に渡す旨を伝えると、
「ちょっと待った!」をいただく。
それはあたかも、
ねるとん紅鯨団のようでした。
同僚が続けるには、
「君はもしかして、
その薄い紙袋のまま、
初対面の憧れの作家さんに
お漬物を渡すつもりかい?」と
私を問い詰めます。
確かに私の持って帰ったお漬物は
その作家の方が大好きな
お漬物ではありますが、
薄い紙袋・・
これを言葉で説明するのは
難しいのですが、
取手さえ付いていなくて、
お漬物の含む水分で、
すでに半分濡れてしまっており、
そのまま手渡しされたとしても、
その作家の方も、
「どうやって持って帰るねん」と
心の中でつぶやくことは
容易に想像できてしまった。
どうしてその容易い想像を
私はさっき、
大丸のレジで
膨らませられなかったのかしら。
どうすることもできずに
うろたえておりますと、
同僚が大丸の地下には
サービスカウンターという
ありがたいものが存在するので、
そこに行けば、
箱詰めしてくれるか、
それでなくとも、
最悪手提げの袋くらいは
くれるはずだから、
行ってくればいいよ、
とアドバイスをくれましたので、
もう一度、大丸へ行くと、
確かにその場所に
サービスカウンターがあり、
詳しいことは省きますが、
うまいことしてくれはりました。
持つべきものは、
ちゃんと生きてる同僚ですね。
翌日、私は、
無事、しっかりとしたカタチで
その作家の方にお漬物を
お渡しすることができました。
ご出演いただいた時間は
私は完全に1リスナーになり、
正座とまではいきませんでしたが、
背筋を伸ばして、
DJさんとのやり取りを
聴かせていただきました。
その模様は
ぜひradikoのタイムフリー機能で
確かめていただきたい。
MORNING GRID | α-STATION FM京都 | 2020/07/23/木 | 07:00-10:00 http://radiko.jp/share/?t=20200723090820&sid=ALPHA-STATION
2パートに分けての出演となり、
間に道路交通情報センターに
電話をかけた私は、
その作家の方の出演について、
自分で思っている以上に
緊張していたらしく、
電話を繋いで第一声、
「もしもし」が
出てきませんでした。
「あれ?電話をかけるときって、
最初、何と言うんだったかな?」
ってなってしまいました。
電話をかけたのに、
何も話さないから、
道路交通情報センターの方も
だいぶと不審だったにちがいない。
ずいぶん長々と
書いてしまいました。
radikoのURLを載せるくらいなら
最初から作家の方の名前も
ちゃんと
書いてしまえばいいものを。
なんとなく、
実際にお会いしたいま、
それを軽々しく書いてしまうのが、
なんとなく
品の無いことのように思われ、
包み隠すことにいたしました。
自分にとって、
特別に大切にしたい感情ですから、
剥き出しにするのは問題外として、
やはり薄い紙袋に
入れる程度ではなく、
ちゃんと包み込んでおかなければ。
ある作家の方に
お会いすることとなりました。
私はその作家の方の作品を
今年に入るまで
読んだことがなかったのですが、
日経新聞や朝日新聞、
それに毎日新聞などで、
その作家の方のコラムを読んでおり
面白いことを書く人だな、と
感心しておりました。
歴史小説を書く方だということは
調べればすぐにわかったので、
いつか読みたいと思いながら、
実際に古書市などで、
その作家の方の書いたものを
買ってもいたのですが、
いかんせん、
プノンペン、
スタンハンセンの左腕のような
分厚さであったために、
本棚に立てたままにしていました。
いや、
正しくは立てたままにしています。
いまだにそっちの小説は
読んでおりません。
しかし、
今年の四月頃だったでしょうか。
別の菅原道真を題材にした
その作家の方の小説を買って
読んでみたところ、
これが想像していた以上に
私に見事にヒットして
フィットして、
ハッとしてGOODでして、
私の感性は刺激ビンビン物語。
やっぱりコラムが面白い人は
小説も面白いよなーと、
本来ならば小説の面白い人は
コラムも面白いよなーと、
思うんだろうなーと、
私は入りが逆だったなーと、
そんなことを思いながら、
別の作品も読んでいこーと、
なんとなく考えていたところ、
なんと、
その作家の方の作品が、
直木賞候補作となり、
しかも、その作品が、
その出版社の作品としては、
実に六十年ぶりくらいに
ノミネートされたということで、
さらに加えて、
その出版社というのが、
京都の出版社だということもあり、
私の働く京都のラジオ局にも、
是非ともその旨を
宣伝してくれないですか、
というようなお話があったらしく、
そんな話が私のところに
辿り着いたわけです。
そこで、
私はもちろん、
その直木賞候補作を読み、
番組の中で直木賞について触れ、
その作家の方の
作品についても触れ、
ああ、やっぱり
面白いコラムを書く人は
面白い小説を書くのだなーと
感心しておりますと、
その作家の方は
京都出身なので、
番組出演もできますよ、
という話までいただいたのです。
京都出身京都在住ということは
知っておりまして、
京都をテーマに書かれた
エッセイ集も読んでおりましたので
いつかお会いできるのではないか、
ということは考えておりましたが、
まさか、こうも早くに
それが実現するとは思いもよらず、
ただただ恐縮しつつも、
せっかくお越しいただけるなら、
リスナーの皆さんにとっても、
その作家の方にとっても、
ラジオの時間が
面白い時間になってほしいと思い、
質問シートなんぞを
作成したものでした。
そうして時は流れ、
いざ、ゲストにお迎えする前日、
せっかくお越しいただくのですから
お土産を用意せねばと思い、
私は前述したエッセイ集に
その作家の方が、
京都のお漬物のなかでも、
大藤というお店のものは
とても美味しいというようなことを
書いておられたな、と思い出し、
16時過ぎに局を出て、
麩屋町にある
そのお店へ行ったところ、
新型コロナウイルス
感染拡大防止のため、
当面営業時間は16時までとします、
と貼り紙に書かれており、
ああ、どこまでも私は、
そういうタッチの差で、
いろいろを外してしまう人生だよ、
と嘆いておりましたが、
調べてみると、
大丸京都店にも
大藤のお漬物が
売っていることがわかり、
急いで大丸へ直行し、
地下の漬物売り場を探してみると、
品揃えはさほど豊富ではないものの
あったあった、ありました。
大藤さんのお漬物。
本来は千枚漬けの
有名なお店らしいですが、
季節が違うので売られておらず、
はてさて何にすべきか、
悩んだのですが、
定番と書かれてある
ゆず大根とお茄子のお漬物を買い、
レジにて薄い紙袋に包んでもらい、
局へ戻りました。
局へ戻り、
同僚にこれを明日、
その作家の方に渡す旨を伝えると、
「ちょっと待った!」をいただく。
それはあたかも、
ねるとん紅鯨団のようでした。
同僚が続けるには、
「君はもしかして、
その薄い紙袋のまま、
初対面の憧れの作家さんに
お漬物を渡すつもりかい?」と
私を問い詰めます。
確かに私の持って帰ったお漬物は
その作家の方が大好きな
お漬物ではありますが、
薄い紙袋・・
これを言葉で説明するのは
難しいのですが、
取手さえ付いていなくて、
お漬物の含む水分で、
すでに半分濡れてしまっており、
そのまま手渡しされたとしても、
その作家の方も、
「どうやって持って帰るねん」と
心の中でつぶやくことは
容易に想像できてしまった。
どうしてその容易い想像を
私はさっき、
大丸のレジで
膨らませられなかったのかしら。
どうすることもできずに
うろたえておりますと、
同僚が大丸の地下には
サービスカウンターという
ありがたいものが存在するので、
そこに行けば、
箱詰めしてくれるか、
それでなくとも、
最悪手提げの袋くらいは
くれるはずだから、
行ってくればいいよ、
とアドバイスをくれましたので、
もう一度、大丸へ行くと、
確かにその場所に
サービスカウンターがあり、
詳しいことは省きますが、
うまいことしてくれはりました。
持つべきものは、
ちゃんと生きてる同僚ですね。
翌日、私は、
無事、しっかりとしたカタチで
その作家の方にお漬物を
お渡しすることができました。
ご出演いただいた時間は
私は完全に1リスナーになり、
正座とまではいきませんでしたが、
背筋を伸ばして、
DJさんとのやり取りを
聴かせていただきました。
その模様は
ぜひradikoのタイムフリー機能で
確かめていただきたい。
MORNING GRID | α-STATION FM京都 | 2020/07/23/木 | 07:00-10:00 http://radiko.jp/share/?t=20200723090820&sid=ALPHA-STATION
2パートに分けての出演となり、
間に道路交通情報センターに
電話をかけた私は、
その作家の方の出演について、
自分で思っている以上に
緊張していたらしく、
電話を繋いで第一声、
「もしもし」が
出てきませんでした。
「あれ?電話をかけるときって、
最初、何と言うんだったかな?」
ってなってしまいました。
電話をかけたのに、
何も話さないから、
道路交通情報センターの方も
だいぶと不審だったにちがいない。
ずいぶん長々と
書いてしまいました。
radikoのURLを載せるくらいなら
最初から作家の方の名前も
ちゃんと
書いてしまえばいいものを。
なんとなく、
実際にお会いしたいま、
それを軽々しく書いてしまうのが、
なんとなく
品の無いことのように思われ、
包み隠すことにいたしました。
自分にとって、
特別に大切にしたい感情ですから、
剥き出しにするのは問題外として、
やはり薄い紙袋に
入れる程度ではなく、
ちゃんと包み込んでおかなければ。