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読書の記録 北方謙三水滸伝19巻

読書の記録 北方謙三水滸伝19巻
長い間、
北方謙三『水滸伝』のことばかり
書いてきましたが、
ついに最終巻となりました。

梁山泊には梁山泊の正義があり、
官軍には官軍の正義がある。
梁山泊のなかにも、
派閥争いといえばいいのか、
考え方や立場の違いによって、
対立する者同士がいるし、
官軍、青蓮寺もしかり。

人が集まれば、
必ず軋轢は生まれるもので、
それを乗り越えてなお、
人を結びつけるのが、
志だったり、
愛だったりするのだろう。
それは決して、
金などという、
物質的なものではなく、
必ず精神的なもので
なければならないと思うのです。

しかし、
その精神的な部分での
つながりだけを求めすぎると、
ここに「やりがい搾取」という
新たな問題が生じたりもします。

水滸伝にやりがい搾取なんて問題は
出てこないのですが、
水滸伝には現代社会がもつ
様々な問題、病理について、
考えさせられる描写が多発します。

北方謙三いわく、
キューバ革命を
モデルに物語を構築したそうですが
いやはや、
規模の大小や時代に違いはあれど、
人同士の争い事なんぞ、
根源にあるものは
全て同じなのでしょうね。

また1巻から読んでみようかしら。
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