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子どもたちから借りている

子どもたちから借りている
8月14日「朝日新聞」の
天声人語に
紫外線のことが書いてありました。

紫外線がドイツの物理学者によって
発見されたのは
1801年のことだそうです。
以来、紫外線の評価は
「有益」と「有毒」の間を
行き来してきました。

例えば1930年代には
日光浴ブームが起こります。
科学誌は「太陽を食べよ」と
呼びかけたそうです。
それほどの熱はいったん冷めますが、
その30年後には
小麦色の肌が再び人気の的となり、
化粧品会社は
「太陽に愛されよう」と
呼びかけました。

ところが80年代には、
今度は「紫外線は危険である」
「シワやシミを招く」という
説が広まり、
紫外線はたちまち
「美容の敵」となり、
気象庁は紫外線情報を
出すようになりました。

広島工業大学教授の
金凡性さんによると、
「私たちの科学的常識は
将来も不変とは限りません。
その振れ幅の大きさを
考えるうえで
紫外線は格好の教材です」
とのことです。

当たり前が
当たり前じゃなくなったり、
おかしなことが当たり前になったり。
「新しい生活様式」なんてものが、
生まれたこと自体、
ほんの1年前には
考えられなかったことです。

「暑さ」に関していうと、
紫外線と同様に気になるのが
気候変動に関する問題です。
これは何新聞に
書いてあったか忘れましたが、
新型コロナウイルスの
パンデミックに伴う
経済活動の停滞で減った
温室効果ガスの排出量について、
イギリスの研究チームが
「長期的な気候変動には
ほとんど影響しない」
との研究結果をまとめました。

研究チームは 世界123カ国で
今年の2月から6月の
温室効果ガスの変化を分析しました。
主に地上輸送の停滞が影響し、
ピークの4月には
二酸化炭素などの温室効果ガスが
10%から30%減ったと推計しました。

ただ、アジアの一部の排出量は
既に新型コロナウイルスの
流行前の水準に
戻っているといいます。
来年末まで一部の
ロックダウン政策が続
いたと仮定しても、
2030年までに想定される
地球の平均気温の上昇幅は、
パンデミックが
なかった場合と比べて
「0.01度程度下がるだけ」の
「取るに足らないもの」と
評価しました。

ただ、経済復興政策で各国が
低炭素技術などに集中投資する
「グリーン・リカバリー」を
実施した場合、
気候変動の国際的枠組み
「パリ協定」が
掲げる目標を
「達成できる可能性がある」とも
主張していますが、
さてさてどうなることやら・・

8月14日の「北海道新聞」には、
『星の王子さま』の作者
「サン・テグジュペリ」の
言葉が紹介されていました。

「われわれは先祖から
地球を受け継いでいるのではない。
子どもたちから借りているのだ」
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