お願いフルーツ「その他」

虫の話

虫の話
近頃ようやく蝉の鳴き声を
聞かなくなりました。
かと思えば、
猛暑日続きの頃には
出てこなかった蚊が飛ぶようになり、
体のいたるところが痒い。

子供の頃は
そうでもなかったのですが、
年を経るごとに
虫が苦手になっています。

そんな私のような者には
正直理解に
苦しむところもあるのですが、
虫のことを
愛してやまないという人もいます。

例えば、医学博士で解剖学者、
東京大学名誉教授の養老孟司さんは、
無類の虫好きとして有名で、
虫に関する著作も多数発表されています。

ノーベル化学賞を受賞した
化学者の白川英樹さんも虫好きで有名です。
白川さんはどうしてそんなに虫が好きなのか、
理由を尋ねられ、
さも当然のように
「だって、キレイじゃないですか」と答えたそうです。

アフガニスタンで医療や農業を支援し、
昨年殺害された中村哲さんも、
子供の頃は昆虫学者に
なりたかったというほどの虫好きでした。
虫とのエピソードもありまして、
支援活動の途中、
山道を進んでいた中村さんは、
足元が崩れて
滑り落ちてしまったことがありますが、
岩の隙間から生えた木に
カラダが引っ掛かり、九死に一生を得ました。

そんな危機のなか、
中村さんの目に入ったのは
アゲハチョウの一種で、
一緒に行動していた
スタッフに崖の上から紙を降ろしてもらい、
チョウをその紙で
優しく包んでポケットに入れたということです。

そんな中村さんの
遺志を後世に伝えようと、
佐賀大学などの研究チームは
新種のハエに中村さんの名前を含んだ学名をつけました。

ハエに名前を付けるなんて、
中村さんのことを尊敬していたからといっても、
それってどうなん?と
思っていた私が恥ずかしい。

つくづく、
自分の物差しだけで、
世の中を測ってはいけないのだと知りました。

しかし虫は苦手です。
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