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読書の記録『チョンキンマンションのボスは知っている』

読書の記録『チョンキンマンションのボスは知っている』
香港のチョンキンマンションに住む
タンザニア人カラマは
界隈で「ボス」と呼ばれ、
慕われていたり、
バカにされていたり。
バリバリ仕事しているようで
遊んでばかりいるようで。

カラマを主人公にして、
いったいこの香港在住の
タンザニア人たちは、
どうやってコミュニティを形成し
どうやってお金を稼ぎ、
暮らしているのか?
というところが書かれています。

昨今流行の
シェアリング経済でありながら
そこには信用度をはかる
数値などはなく、
はなっから、
「人は信用できないもの」として
ドライな人間関係を構築しながら
困ったときは、
お互いに見返りを考えず、
支え合うという、
なかなか我々には
マネのできない理想郷が、
そこにはあるようです。

とにかく、
めちゃくちゃ面白くって、
読ませる一冊なんですが、
2016年頃から
2018年頃にかけて、
著者が香港でボス界隈を
取材したものが
ベースになっており、
そうなると、やはり、
あのデモがあり、
現在のウイルス禍もあるなか、
チョンキンマンション界隈の
あの人たちは、
どう過ごしているのか、
相変わらず、彼らの作り上げた
素晴らしいシェアリング経済は
成り立っているのか。

「いま」が
気になってしまうというのは、
著者にとっても、
想定外だったんじゃないかしら。

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