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読書の記録『アフリカ出身 サコ学長、日本を語る』

読書の記録『アフリカ出身 サコ学長、日本を語る』
『アフリカ出身 サコ学長、日本を語る』

サコ学長は
最近、新聞などでも
よくお姿を拝見します。
西アフリカ・マリ共和国出身の
ウスビ・サコさん。
京都精華大学の学長です。
アフリカ出身者として
初めて日本の大学の学長になりました。

サコ学長は若い頃、
本当はフランスかどこかに
留学したがっていたのですが、
母国・マリが勝手に決めた?割り当てで
中国の大学へ留学することになりました。

その中国留学時代、
偶然に訪れた日本が面白くて、
京都大学の大学院に進学。
やがて京都精華大学に職を得て、
2018年に学長に選ばれたわけです。

『アフリカ出身 サコ学長、日本を語る』は、
その経緯や大学教育などについて、
サコ学長が書いた一冊です。
ご自身、関西弁を使うそうなんですが、
本のなかでも、おかしいことには
「なんでやねん」と突っ込みを入れつつ、
ユーモアをまじえながらも、鋭い切り口で、
日本人や日本文化について語っています。

いろいろ面白さのある本ですが、
サコ学長は、
建築学がご専門ということで、
日本の畳文化とマリの住居との共通点を
見出していくあたり、
ああ、この人、学者なんだな。
さすがだな。と唸らされました。
アフリカ出身初の学長とか、
そういうところが注目されがちですが、
その前にとてつもなく
頭の良い学者さんなんだということね。

あと、けっこう日本人の私にとっては
そうよなーと思う反面、
グサリとくるものもあり。
「親しさと甘えは別もの」とか、
「平等をはきちがえてる」とかね。
深く考えない国民づくりに
教育が成功しているというのも
耳が痛いお話でした。

オンとオフの話しもよかった。
日本人は「趣味が映画」といえば、
映画のスペシャリストじゃないと
いけないという雰囲気がある。確かに笑
どっちが詳しいとか、
どっちが昔からファンだとか、
まぁ、趣味の範疇では
本来そんなものは
どっちだっていいことなのに、
優劣、勝敗をつけたがりますよね。

読んでいると、
サコ学長の「なんでやねん」に
ドキっとします。

思ってても声に出せない
「なんでやねん」を
吐いてくれてるのが嬉しかったり、
サコ学長の「なんでやねん」が、
自分に向けられてる気がしたり。

おもしろいです。
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