京都フルーツ

一人目の客になれなかった話 烏丸御池のマクドナルド編

一人目の客になれなかった話 烏丸御池のマクドナルド編
涌井慎です。
趣味はオープンしたお店の
一人目の客になることです。

本日朝7時、
烏丸御池にマクドナルドがオープンする。
金曜日なら行けるじゃないか。
朝も早いし20分前に行っておけば
だいじょうぶだろう。

そこには慢心や思い上がりが
あったのかもしれません。
意味はちょっと違うかもしれないけど、
ニュアンスを汲み取ってほしい。

結果、
6時35分頃、
烏丸三条を左折し、北上したところで、
いや、まだ北上もしていなかったな。
目を北に向けただけだったかもしれない。
思えばあの北は敗北の北だったんだ。

お店の前に数人並んでいるのが見えた。

相手は日本で一番有名な
ハンバーガーのチェーンではないか。
どうしてせめて、
40分前の到着を心がけなかったのだ!
(経験上、40分前なら
8割方一人目になれることを私は知っている)

最前列はおじいちゃんでした。
スケッチブックを持っていました。
あの濃緑と黄土色の、
スケッチブックといえばコレ!っていう、
あのスケッチブックを脇に抱えていました。
その後には男女1組。
どうやらおじいちゃんとは
知り合いのようだ。
家族あるいは親族だろう。

おじいちゃんはスーツ姿のスタッフさんを
つかまえて、
何やらまくし立てているのですが、
何を喋っているのかまではあまり聞こえず、
どうやらスタッフさんに、
本日オープンすることについて、
取材をされているような感じで、
どうしてそれがわかったのかというと、
おじいちゃんが、
「このお店のオススメは何ですの?」と
聞いていたのだけ、
しっかりと聞こえたからです。

スマイルが売りのはずのマクドナルドですが
(いまはそんなこともないのかしら)
スタッフさん、苦笑いしておりました。
あ、スタッフじゃなくてクルー?

しかし悔しい。
悔しいから後ろには並ばずに
帰ってやりましたが、
いま思えば、ひょっとすると、
あのおじいちゃん、
「さっきの兄ちゃん、帰りよったな!
あれ、一番目になりたかったのに
わしらがいたから帰りよったんとちがう?
そんな簡単に
マクドナルドの一人目の客になんか、
なれるかいな!こちとら、
意気込みが違うで!!」くらいのことを
後ろの二人に話しているのかと思うと、
ただ食べに来た客として、
並んでおいてもよかった気もする。

帰り道、大雨になりました。
あのおじいちゃん、傘持ってたかな。
持ってなければいいなと思いました。
父さん、僕は不純です。

11月20日朝7時、
烏丸御池にオープンした
マクドナルドの一人目の客には
なれませんでした。
TOP