京都フルーツ

「8月ジャーナリズム」

「8月ジャーナリズム」
9月になりました。
今年はやたらと「平成最後の夏」と、
叫ばれたからなのか、
いつになく自分の頭も、
8月ジャーナリズムでした。

戦争のことを、
知らない世代ですが、
ちゃんと伝えていかねばと、
そんなことを考えた初めての夏でした。

そうなると、不思議なもので、
思いもよらないところで、
戦争との縁を感じたりもするもので、

これは例えば、
好きな人のことを思い続けていたら、
何気なく通り過ぎたお家の表札が、
その好きな人と同じ苗字だったり、

はたまた、
荒木飛呂彦先生が、
『ジョジョの奇妙な冒険』のなかで、
「スタンド使い同士は引かれ合う」と、
表現した「見えない力」と同じもの、
だと思うのですが、

単純に装丁やタイトルだけ見て、
「読みたい」と思い、
図書館で借りた本が、
大戦中の東京を舞台にした
作品だったりするわけです。

この『小さいおうち』という小説も、
そうでした。
欲しているものは、無理なく、
ほどよく、なんとなく欲していれば、
なんとなく手に入るものなのです。
わかっていながら、
なかなか、自らの欲望に対しては、
そんな風に流れるように生きていけない。
難しいものです。

ともかく、
あまり意固地にならず、
面白いことに素直に飛びつき、
面白くないことは、
できる限り、遠ざけていけば、
それなりに
面白い人生が送れるんじゃないか、
そんなことも
確かめられたような気がした夏。
TOP