お願いフルーツ「その他」

生きることの質

生きることの質
昨年7月、105歳で亡くなられた
日野原重明さん。

医師として、
「生と死」に向き合う言葉は、
心を打ちます。
この本は日野原さんが、
1991年、92年くらいに行った
講演会の内容や、
当時執筆されたエッセイなどが
まとめられています。

愛し合う人同士は
見つめ合うのではなく、
ちゃんと同じ方を向いているのだと、
そんなことが書いてあり、
とても共感を覚えました。

それと別で、
マルティン・ブーバーという
哲学者の言葉が紹介されていました。
「創(はじ)めることさえ忘れなければ、
人は老いない」。
これって夏目漱石の『こころ』のなかで、
先生が言う、
「向上心のない者は馬鹿」ってのと、
通じるものがある気がします。

死ぬ間際まで、
未熟であるほうが、
人生は楽しいんとちがうかな。

私は あと2年弱で「不惑」なんですが、
不惑を越えた人とかでも、
惑ってない人より、
惑ってる人のほうが、
かっこよく見える時、あるしなぁ。

なんにせよ、これから、
どんどん死に近づいていくわけですが、
くたばっちまう、その前に、
同じ方、向いてる人がいるといいよなぁ。


下記、
他に印象的だった言葉を
記録しておきます。
迷い惑いながら生きる、
迷惑な私たちにとって、
生きるヒントになるかもね。
ならないかもね。



●「夕暮になっても光はある」とは、旧約聖書の「ゼカリヤ書」第十四章第七節に記されている。

●不思議なことに日本では、医師は患者の痛みをとるように努力しないで、病気だから痛みには辛抱しなさいといいます。昔は欧米でもそうでした。患者には耐えさせてきたから、患者のことを「ペイシェント」といったのです。「がまん強い者」「耐えている者」とは患者のことです。

●リンゴは花を咲かせ実を結んだときにはもう種があるのです。熟して木から落ち、そこに種が初めて出るのではなく、リンゴの実には種が始めから宿っています。そのように、私たちのからだの中には、生まれ出たときに既に、この人は何歳で髪の毛が白くなり、何歳でどこがはげ、何歳で声変わりがする、何歳でしみができるというようなことが、数多い遺伝子によってきちんと決められているのです。

●人を愛することができるのは自分を愛している人です。自分を本当に大切に健やかにしたい、そうして自分を大切にする心がある人が、自分を愛すること以上に人を愛するようになる。それが最高の愛です。

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