お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ 毎日が旅じたく

読書フルーツ 毎日が旅じたく
津田晴美さんという、
建築やデザインなどの仕事を
されている方のエッセイです。

建築にもデザインにも疎く、
津田晴美さんのことも、
全く存じあげなかったのですが、
図書館で、どういうわけか、
この本に手が伸びた。

その感覚、
直感を信じて借りてみたところ、
私の直感が、いまは、
研ぎ澄まされまくっていることが
わかりました。

とにかく、
いまの自分にとって、
どんぴしゃな言葉たちが、
どんどん私を揺さぶってくる。

そんなことなので、
私を揺さぶった言葉たちを
書き記しておきたい。

とても「本質」を突いている、
ぐさりと刺さる言葉たちです。
下記が引用部分。

☆たとえばグラスがひとつ。
心の底から美しいと思った
グラスは、実用には向かないもの
だったかもしれない。
それはあまりにも繊細で、
壊れやすく、ほかの食器と
一緒には洗えないかもしれない。
けれど、丈夫で軽くて
手入れの簡単な、というような
一般的なものの見方や
道具の実用性を超えたところに
自分の大切にしたいことが
あるとしたら、
それを迷わず選ぶべきだと思う。
 
☆シンプルな暮らしとは、
すっきり片づいた部屋のことを
いうのではない。
欲しいものを我慢すること
でもない。
大切な自分の暮らしのために、
本当に必要なエッセンスだけを
選択すれば、
私たちはもっと
「簡素に美しく
生きられることのよろこび」を
手に入れることができるのだ。
 
☆からだが欲しがる食べものを、
心の底から美味しいと感じて
食べている限り、
人は決して太らないという。
 
☆すべからくものを生み出す
人たちは、
才能や個性に加えて
環境に対する配慮を
持ち合わせていなければ、
新しいものなんて作る資格は
一切ない。
デザインとは、本来そういう
課題を解決するための
方法論ではなかったのか。
 
☆デザインは意図である。
言葉を超えた
コミュニケーションツールなのだ。
だから、何ひとつ無自覚に、
あるいは独りよがりに色や形を
処理することは
許されないのである。
 
☆同じような年代の、
同じような仲間とばかり
付き合っていると、
会話をしているようで、
会話になっていない。
「うんうん、そうそう、
だよね~」。
これで価値観が同じだなんて、
それこそ大きな勘違いだ。
会話をしたり人と知り合うことは、
世のなかに如何に多くの、
自分と違う人がいるかを
理解することであって、
それが大人になって
ゆくことなのだ。
 
☆苦い思いをたくさんするよね。
~略~
それはほんの些細なことから
始まる。
約束の時間に遅れた。
悪いことをしたかな?と
思ったものの謝りそびれた。
悪気はないのにちょっと
口を滑らせた。
謝れば済むことなのに
言い訳を先にした。
こんなことがたび重なれば
泥沼である。

自分が引き起こした問題に
自分で責任をとって、
表面的には一応
解決したように見えるけれど
互いの心には
納得できないなにかが残る。
傷ついたり後悔したりするけれど、
誰かに話して
解決するようなことでもない。
苦味を噛みしめて、思い知る。
 
でもこのことが実はとても大事、
のような気がするのだ。
こういう思いをたくさんしてこそ、
他人の心の痛みも理解できる。
 
☆素直な気持ちで、
不自然なことさえしなければ、
ものごとはおのずと
シンプルで良い方向へと
向かうはずです。
素材の見きわめが甘かったり、
スケジュールを詰めすぎて
手を抜いたり、
相手に用件をきちんと
伝えなかったり、
打算や妥協が働いたときに、
必ずトラブルは発生します。


人生に行き詰まったとき、
読み返してみたい言葉ばかり。
直感を信じてよかった。
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