お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ 『タイの骨』

読書フルーツ 『タイの骨』
『タイの骨』宮本雄一郎

日本語教師をしながら、
サラリーマンとして働いていた筆者が
突如、思い立ち、
タイで生活することに。
2年間のタイでの暮らしで、
「発見」したことについて、
書かれています。

2006年に出版されているので、
いまはタイの事情も
変わってるかもしれませんが、
著者がタイで暮らしていた頃、
「タイ人が日本へ留学して
驚いたこと」のなかに、

●軽自動車がたくさん走っている

というのがありました。

タイ人は軽自動車なんか乗らない。
車に実用性も経済性も
求めていなくて、
「車を持つ満足感」を
買っているんです。
「見栄」のために車を持つ。
車が一種の「ステータス」なんです。

これって、
ひと昔前の日本も、
そうだったんですよね。

やがて社会が成熟して、
枯れ始める頃、タイでも、
実用性と経済性を兼ね備えた
軽自動車が走るように
なるのでしょうか。

著者は後書きで、
タイで「発見」したのは
タイではなく日本であり、
自分自身だったと書いています。

こういう一文を読むにつけ、
海外に行ってみたい気持ちは強くなり
それでも、自分の臆病が、
その気持ちをかき消したりもする。

好きな女の子に告白できず、
自分の中で、その気持ちを
処理してしまう、
あの感じに似ています。
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