お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ 沢野ひとし/谷川俊太郎 『十八歳』

読書フルーツ  沢野ひとし/谷川俊太郎 『十八歳』
『十八歳』谷川俊太郎/沢野ひとし

谷川俊太郎さんが
詩を書き始めた若かりし頃、
当時の詩作ノートに
イラストレーター沢野ひとしさんの
イラストを添えたものです。

詩の世界はわかりません。

前にも書いたかもしれませんが、
「わからない」のはつまり、
「触れていない」からなんです。

私は幼少時代、
当たり前のように
近くに野球があったので、
ほぼルールは把握していますが、
そうでなければ、
あんな、ややこしいスポーツ、
普通は「わからない」ですよ。

それは いま、私が、
アメリカンフットボールのルールを
全くわからないのと同じ。
そして いま、
私が詩のことをわからないのも、
同じ理屈なのです。

ただ、
知らなければ、触れなければ、
それは いつまでも
わからないままですが、
少しでも知り、触れれば、
その分だけ理解は進むはずです。

何も数学のように
専門的知識が必要でもないし、
手先の器用さも筋肉も必要ない。
ただ、感性の問題なのですから。

だから、今回、『十八歳』を
読み切ったことで、私は読む前よりは
格段に詩に対する理解が
進んでいるはずです。

しかし、いかんせん、
私は性根が貧しいところがあり、
所詮は「谷川俊太郎」という名前を
読んでいるだけだったんですよね。

谷川俊太郎が書いてるんだから、
間違いはないだろう。と。
創造的発想の全くない、
精神的怠惰で読み進めたわけですが、
読み進めるうちに、
なんとなく、
本当になんとなくなのですが、

「たいしたことない」

と感じた箇所もあったのです。
この感覚が今日の私の新しい発見。
私には わからないけど、
谷川俊太郎なんだから、
これはこれで、良いのだろうとしか
思っていなかったのに、
なんだ、谷川俊太郎とはいえ、
十八歳の頃は たいしたことない作品も
書いていたんじゃあないか、と。

そんなことを誤解であれ何であれ、
感じることができたことが
私にとっての今日の収穫です。

果たして今日得た感覚が、
正しいか正しくないか、なんて、
そんなものは無いのだけれども、
それでも、これから、
もっともっと「詩」に触れることで、
いつか再び『十八歳』を読んだとき、
感じることも変わるのでしょう。

特別な技術も知識も、
なにもなくても、
新しい扉を開いてくれるのが、
読書のステキなところです。
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