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その後の安宅屋飯店

その後の安宅屋飯店
先日、突如として店を閉めた
我が青春の思い出「安宅屋飯店」。

今日、店のあった場所の前を
通ったら、
すでに建物は取り壊され、
新しい建物を建てるための工事が
行われていました。

一客の思い出なんぞは、
何事もなかったかのように、
破壊されてしまうのです。

しかし、
新しい建物ができれば、
また、この新しい建物が、
いろんな人たちの思い出を
作っていくのだ。

噂によると、
新しい建物では、
新しい人たちが喫茶店を営むらしい。
無くなったお店のことで
感傷に浸ってばかり、
いなくともよかろう。

安宅屋飯店は
いまも私の心の中で営業を続けていて
閉まることはない。
正直なところ、
営業していた頃から、
ずっと安宅屋のことを
思っていたわけではないので、
閉店したことで、
心に刻まれたともいえる。

ありし日の、
あのボリューム、あの安さ、
ちょうどいい汚さ、
ご主人のゆでたまご然とした佇まい、
全てを心にしまい込み、
安宅屋飯店を知らない子供たちに
伝えていこうと思う。

しかし、最後に一回、
食べたかったな〜。
まぁ、それも別れた彼女に例えるなら
下卑た願いでありますからね。

次のお店が、
波長の合うお店であればいいな。


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