お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ 『毎月新聞』

読書フルーツ 『毎月新聞』
2019年 読書その4
『毎月新聞』佐藤雅彦

佐藤雅彦さんが
1998年10月から2002年9月まで
毎日新聞で月1回連載していた
新聞型コラムがまとめられています。

10年くらい前?かな。
タイトルが面白そうだったので購入。
いわゆる「ジャケ買い」みたいな
もんですが、これが大当たり。
インプットイヤーと位置づけた
2019年の初めに
再び読んでみたのですが、
やっぱり面白かったです。

10年前に読んだときと、
いまとで何が違うか?というと、
佐藤雅彦さんについて、
知ってるか知らないか。
いまは「ピタゴラスイッチの人」とか
「コイケヤスコーンの人」とか、
いろんな情報込みで読むわけですが、
買った当初は そんなこと、
まったく知らずして面白かった。

それはビートルズを知らなかったのに
Come Togetherに衝撃を受けた
あの感じと似ている気がする。

思えば 私が波長が合うと感じたものは
全て「誰によるものか」を
知る前に出会ったもののように思う。

「夢で逢えたら」も
「冬のリヴィエラ」も
「あなただけI love You」も
全部、大滝詠一が作ったと知ったのは
ずいぶん後のことです。
「幸せな結末」も、
歌っている人の情報よりも、
先に曲がいい!となった気がする。

作家が誰だとか、
どんな功績があるだとか、
そういうのって余計な情報であり、
作品の本質には
関わりがないんじゃなかろうか。
作家のことを知ってしまってから
読むと、いいのはいいんですけど、
そこに「この人が作ってるんだから」
っていう太鼓判を
勝手に押してしまってるものだから、
いまは純粋に作品として、
読めなくなってはいますよね。

それでも 『毎月新聞』は面白いし、
大滝詠一の書いた曲が
素晴らしいのは事実。
それもこれも、
佐藤雅彦さんも大滝詠一さんも、
これまで私を裏切ったことが
ないからなんだと思います。

創作する人間として、
目標とするのは、
やっぱり、
誰が作ったもんか知らんけど、
面白い!!と思われることであり、
そのあと、素性が知れてからも、
愛され続けないといけないよなぁ。
なんてことを
『毎月新聞』を久しぶりに
読み終えたときに考えたのでした。

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