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読書フルーツ 『井上ひさしの日本語相談』

読書フルーツ  『井上ひさしの日本語相談』
2019年 読者その10
『井上ひさしの日本語相談』

作家の井上ひさしさんが、
日本語に関する読者の質問に答える
『週刊朝日』で連載されていた
コラム集です。

●日本語には形容詞が
圧倒的に少ないため、
(柳田國男のいう「形容詞飢饉」)
「的」「式」「風」を付けることで
形容詞不足を補っている。

●日本語のように
わかりやすいものではないが、
英語にも「擬態語」は
あるのではないか。
※激しい動きを含む動詞に
「ash」が多い。
(crash dash frash)
※sliで始まる言葉が
なめらかさを隠している。
(slide slip slime)
※細長い形にstr
(straight street stream)
つまり、これらはわかりにくいけど、
日本語の「擬態語」ではないか。

と、まぁ、このように
日本語に関する「?」が、
おもしろおかしく解説されています。

日本語が乱れてる、けしからん!
ではなく、言葉とは揺れていくもの、
という見方を持っておられ、
「ニホンとニッポン、
どっちが正しい?」についても、
両方存在する、その「揺れ」がよい。
と書いているのがいい。
(「よい」と「いい」もしかり。)

私は大学でフランス語を専攻して、
男性名詞と女性名詞の使い分けを、
なんて難しいんだと思ってましたが
そんなもの、外国人が学ぶ日本語に
比べれば たいしたこと
ないんじゃないかな。

これからニホン(ニッポン)にも
外国人が
たくさんやってくるみたいなので、
そういう人たちに
ユーモアを交えながら
日本語の面白さを伝えられるような
人間になりたい。

個人的には
外国人の夫が、
「●●ちゃんのバカ」じゃなくて、
「●●ちゃんはバカ」じゃないのか、
と言って譲りません。
という相談が面白かった。
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