お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ『全日本食えば食える図鑑』

読書フルーツ『全日本食えば食える図鑑』
2019年 読書その12
『全日本食えば食える図鑑』

椎名誠さんが、
日本全国の「奇食珍食」、
つまり「ゲテモノ」食いに
チャレンジする紀行文集です。

ゴカイやらウミヘビやら
イソギンチャクやら、
正直「絶対食べたくない」ものばかり
椎名さんが食べるんですが、
面白いもので読んでいるうちに
一度くらいなら、
食べてみてもいっかな?
なんて気になります。

単なるゲテモノ食い歩き紀行ではなく
この地方では、
どうしてこんなものを
食べるのか?という、
地方ごとの文化について、
掘り下げているのが、
この本のポイントだと思います。

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インディオが猿を食べるのは、
他にこれといった食料になる
獣がないからで、
イヌイットがアザラシを
生食するのも似たような理由だし、
加えて野菜を食べないかれらは
肉を生で食うことによって
ビタミンを得ている。
だから彼らのそうした食習慣を
決してゲテ食とは思わないが、
中国人が広州あたりで
昔やっていたという、
生きた猿の頭を輪切りにして
その脳みそをスプーンで
すくって食うというのは、
(それが本当のことなら)
ゲテ食中のゲテだと思う。
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同じ理屈で椎名さんは、
日本の「活け造り」も
ゲテ食中のゲテだと書いていますが、
いやはや、納得。
ゲテ食ってのは
食べ物そのもののことではなくて
食べ方に問題があるんですよね。

それで私、
個人的に思い出したのは
魚の雌のハラワタをくり抜いて、
そこに明太子を詰めた料理。
あれは胸が苦しくなります。

我が卵が詰まってたところに、
なんでわざわざ、
別の卵を入れて食うねん。
あれもいわゆる
ゲテ食なんじゃないかな。

なんにせよ、
こういう本を読んでいると、
旅がしたくなりますね。
半径5mくらいの常識でしか
生きていないから、
違う文化に触れて、
一から十まで驚きたい。


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