お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ『日本人の質問』

読書フルーツ『日本人の質問』
2019年 読書その14『日本人の質問』

日本や日本文化に関する
ドナルド・キーンによるエッセイ集。
1980年代前半あたりに
書かれたものです。

ドナルド・キーンといえば、
いわずとしれた
日本文学者ですが、
私は新聞や雑誌でその名前を見ても
なんとなく、
読むのを避けていました。

どこかで、
外国人に日本の文化のことなんぞ、
知った風に語られたくないし、
そんな話は聞きたくないと、
思っていた節があります。

それでも一度、
読んでみようと思ったのは、
今年は日本語とか、日本文化について
もっと勉強したいという思いと、
あと、これまで触れてこなかった
ところにあえて踏み込んでみたい
という好奇心があったからです。

読んでみて、
私、非常に恥ずかしくなりました。
何がって、
いま私が書いたような、
日本人の気質について
触れていたからです。

いわく、
日本人はキーンさんが、
自分より日本のことを
詳しいことについて
「恥ずかしい」と漏らすらしい。
でもキーンさんにしてみたら、
「こちとら、何年日本のこと、
勉強してると思ってるねん」
という話なんですよね。

日本に生まれてこのかた、
生まれた国のことを
碌に勉強してこなかったくせに、
日本に詳しい外国人を目の前にして
「恥ずかしい」なんて、
言うこと自体が
恥ずかしいではないか。

いま、このタイミングで、
出会うべくして出会ったような
気がしてくる名著でした。

しかし、
ほかにも「図星!!」
というところが多々あり、
キーンさんの洞察力の鋭さ、
着眼点の面白さ、
そして日本に対する理解の深さには
参りました。

いまから勉強するから、
もうちょいまっててください。
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