お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ『浮雲』

読書フルーツ『浮雲』
2019年 読書その20『浮雲』

去年の頭くらいに、
自分の中身が「からっから」に
乾ききっていて、
なんの潤いも
ないことに気づきました。

ちゃんと水をやらないと、
俺は乾ききってしまうと思いました。
周りには自分だけは
潤っていると思っていて、
側から見たらカラッカラな
かわいそうな人も居て、
そういう人に共通しているのは、
碌に中に入れることをせず、
他人の悪口ばかり言い、
とにかく俺が最高なんだと、
威勢ばかりがよく、
自分を認めない人間のことは、
疎外して、自分だけの国を創る、
てな具合の人が残念ながら、
周りにいらっしゃるのは事実でして。

あんな風にはなるものかと、
心に決めて、できる限り、
インプットをするしかないと、
近頃は読書を心がけていますが、
そうやって、
ここ最近読んだ小説のなかでは
群を抜いて主人公に共感をできる
お話でした。

独特のリズム感もたまりません。
文字だけ書いていると、
この「リズム感」ってのが
疎かになりがちなのですが、
この『浮雲』は落語か講談か、
というような小気味よい、
リズミカルな調子で話が進んでいき、
まるで「かせきさいだぁ」はたまた、
最近なら「ナラムラエミ」さんの
歌のような心地よさが
感じられました。

さては あのミュージシャンの皆さんは
二葉亭四迷の『浮雲』に
多大な影響を受けたのではないかと、
試しに「かせきさいだぁ」も、
「ナカムラエミ」も「二葉亭四迷」と
一緒に検索してみたのですが、
双方に関連は無いようでした。

まぁ、とにかく、
面白いから読んでみてください。
途中、お勢が発する
「本田さんが気に入りました」
ていうセリフに、
とにかくショックを受け、
どうか、本田とお勢が、
上手くいく展開にだけは
ならないでくれと切に願い、
絶対無理だろうなと思いながらも、
最後の最後まで、文三とお勢が、
お付き合いすることになるような
展開を望んで読んでいました。

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