京都フルーツ

太秦探訪その5 広隆寺

太秦探訪その5 広隆寺
太秦探訪その5。

大映通り商店街を抜け、
広隆寺へ。
京都に暮らしはじめて
20年が過ぎましたが、
この有名なお寺に入るのは はじめて。

中が広い!
草野球くらいならできそうです。
この広い空間に、
いままで入ったことがなかったのか、
と、なんとなく
不思議な気分になりました。

誰に禁止されてるわけでもなく、
受付の向こうに行くまでは
拝観料もかからないのに。

広すぎるので、
正直、受付でお金を払わなくても
奥まで進めるんじゃないか?と
邪な気持ちがよぎりましたが、
もちろん、拝観料は支払いました。
800円。

国宝第一号の
弥勒菩薩半跏思惟像を
見られるならば安いものでしょう。
正直、思ってたよりは高かったけど。

受付を済ませて、
奥にある宝物館に入ると、
入口では広隆寺の冊子を
見せなければなりません。
その広隆寺の冊子は
受付で入手できます。

なるほど。
やっぱり、受付をしないと
いけないシステムに
なっているわけだ。
私と同じ、邪心に満ちた人間が
他にもたくさんいるのでしょうね。

館のなかには、
そんな邪心に満ちた人間どもの
奥に潜む悪の部分に
怒りの目を向ける毘沙門天系の
忿怒の表情を浮かべた仏像さまたちと
慈愛の心に満ちた
柔和な微笑みを浮かべた
仏像さまたちが
ズラリと並んでいます。

なかには手が捥がれた
痛々しいお姿の千手観音様も
おられましたが、
それでも慈悲深い笑みを
浮かべておられ、
涙が出そうになりました。

国宝第一号の弥勒菩薩半跏思惟像も
その神々しさたるや。
仏様のことを
神々しいと言っていいのか、
わかりませんけど。
菩薩菩薩しいもおかしいでしょ。

近頃は人の心について、
考える機会が多い。
年を重ねるにつれ、
思い通りにならないと
期限が悪くなったり、
「マウンティング」することでしか
人とコミュニケーションが
うまくとれなかったり、
とにかく絶対に謝らなかったり。
そういう人が多いとは言わないまでも
周りにたくさんいらっしゃる。

自分の心も、
やがてああやって、
醜くなっていくのだろうか、と、
(こういうこと書いてることも、
すでに醜かったりするわけですが)
少しばかりイヤな気持ちになるとき、
あの仏像の皆様方のお姿を拝むことで
救われるっていうのが、
さほど信仰心のない私にも
わかるような気がしたのでした。

拝観料800円
TOP