京都フルーツ

一条戻橋の桜。

一条戻橋の桜。
一条戻橋の桜が綺麗でした。
何桜というのかな、
ソメイヨシノではないよな、
とか、余計なことを考える頭は
綺麗なものを見るときに
邪魔にしかならないですね。

だから知らなくてよい、
というのではなく、
知っておく、というのが
文化的な暮らしなのだと思いました。

いまは ただの橋ですが、
一条戻橋は 古くから、
いろんな伝説の舞台になりました。
これも「知っておく」ことで、
知らない人よりも、
豊かになれるという好例ですね。

知識を増やすことが
豊かなのではなく、
知識を増やすことで、
世界が豊かになるんですよね。

さて、一条戻橋ですが、
かつて、ここは都の外れであり、
都で死んだ人を
都の外の墓場へ持っていくために
通る橋だったそうです。

大袈裟にいえば、
「この世とあの世の境目」が
一条戻橋だったのです。

橋の名前の由来はというと、
平安時代、文章博士の三善清行が
亡くなり、葬儀が行われた時のこと。
葬儀の列が橋を渡ろうとすると、
修行僧となっていた
三善清行の息子がやってきて、
棺に向かい、お経をあげたところ、
暗雲立ち込め、雷鳴鳴り響き、
突如、棺が開き、
死んだはずの三善清行が
蘇ったのだそうです。

死人がこの世に「戻ってきた」から
一条戻橋と
呼ばれるようになったんですね。

ちなみに三善清行の息子というのは
浄蔵という名の僧侶で、
この人は傾いた八坂の塔を
法力で元に戻したとされています。
何かと戻したがる男です。


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