お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ『ぶす』

読書フルーツ『ぶす』
2019年読書その33『ぶす』

最近は絵本ばかりです。
しかし侮るなかれ、
出版不況といわれるなか、
他の出版物と比べて、
絵本は売れ行きが好調らしいです。

子供に読み聞かせする、
という本来の目的で
購入する人以外にも、
大人の視点で読んでみても
面白い作品が
いろいろと出ているからではないかと
勝手に思っています。

少し前に
そんな新聞記事を読んだ気もする。

というわけで『ぶす』。
まず、「ちちんぷいぷい」でも
おなじみの長谷川義史さんの絵が
私は好きなんですよね。
どこか、とぼけた感じがあり、
穏やかな気持ちで読めます。

この方が描いたら、
パレスチナ問題でさえ、
穏やかに描き切るんじゃなかろうか。

でも、
たぶん本人自体は
割と毒のある人なのではないかと
想像しています。

さて、『ぶす』は
狂言の演目の一つを、
長谷川先生が絵本にしているのですが
これ、アニメ「一休さん」に
出てきたお話と同じでした。
和尚が独り占めしたい水飴を
「これは毒が入ってるから、
絶対に食べるなよ」と小僧たちに
注意して外出するのですが・・・
という、あれです。

あれは狂言が元やったんですね。
一休さんの「とんち」では
なかったものを
一休さんの仕業に変換した人のことを
私は褒め讃えたい。

と、
ここまで書きながら、
別の疑問が湧いてきた。
私が子供の頃に見た
水飴を食べてしまう小僧の話は
ひょっとして、
一休さんではなかったのだろうか。

そうなってくると、
私が ここまで書いてきたことが
全て崩されてしまいます。

この、
「培ってきたものが
全て崩されてしまう」感覚、
大人になればなるほど、
恐ろしくて、
見ないフリをしがちですよね。

半生を経てようやく
たどり着いた真理のようなものを
覆してしまうような人や物が
現れたときに、
それを受け入れることができず、
かといって、
心の片隅では 実は、
自分の見つけた真理が
もう時代に合わないことを
わかっているくせに、
それでも意地を張り、
自分の正しさを
アピールするためだけに
理論武装をしてしまう。

そういう大人には
ならないように気をつけましょうね。

私は そういう大人には
ならないようにするので、
とりあえず、
今日のブログに関しては、
ここで終わりにさせてください。。
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