お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ『とてもおおきなサンマのひらき』

読書フルーツ『とてもおおきなサンマのひらき』
2019年 読書その37
『とてもおおきなサンマのひらき』

絵本のことを拒絶する人がいる。
絵本との出会いが
よくなかったのか、
理由はわからないが、
とにかく
「絵本ってダメなんですよね」
として絵本を読まない人がいる。

そのことについて、
別に悪くいうつもりはないけれど
もったいないな、とは思う。
無限に広がる創作の森、
不条理の世界、
理屈のないパラダイス、
真っ正面から読んでも、
斜めから読んでも、
大人も子供も楽しめる、
絵本の世界に開かれた扉を
閉じてしまっているのは、
本当にもったいないことだと思う。

いかなる理由があるかはわからないが
つまり「レッテル」を
貼ってしまっているのだ。
いやはや、何回も書くけど、
もったいない。

この本なんて、
表紙を見ただけで、
「当たり」なんがわかるもんね。
「とてもおおきな」って、
ここまで大きなものにも
使用できる形容なんですね。

大きいにもほどがあるやろ。

この「とてもおおきな」
サンマを持ち上げてるのが
「またやさん」というおっさん。
このおっさんが買い物が大好きで
市場で このサンマを
買ってくるのだが、
焼いて食べようとしたとき、
いきなり、サンマが暴れ出し、
周りの人が吹き飛ばされてしまう。

大惨事だ。

そんな大惨事が
起こったにもかかわらず、
「またやさん」は
翌日、今度は同じくらい
「とてもおおきな」
スルメを市場で買って帰る。

焼いて食べようとしたら、
案の定・・・

ここにきて、
どうしてこのおっさんが
「またやさん」なのかがわかる。
そして、
物語がどう展開していくかも
だいたいわかる。

読む私は、
「来るぞ!来るぞ!」と
期待しながら、
期待したものが来ると、
「来た〜〜〜〜〜!!!」と
織田裕二のように叫ぶわけだ。

こんな手軽で面白い物語を
絵本に対するレッテルのために
体験することができないのは
本当にもったいない。

もったいないを
繰り返してしまう私も、
ひょっとしたら、
またやさんかもしれない。
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