お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ『沖縄文化論』

読書フルーツ『沖縄文化論』
2019年読書その41
『沖縄文化論〜忘れられた日本〜』

岡本太郎の文章は力強い。
力強すぎる。
エネルギーが溢れすぎてるから
一緒にいる人は
しんどかったやろうな。
本で読むくらいが
ちょうどいい気がする。

1972年10月に出されているから
沖縄返還から
間もない頃ということになる。
沖縄の文化に触れて、
その取材を受けて書かれたものが
出版されているのだから、
実際に岡本太郎が沖縄を訪れてるのは
返還前のはず。

沖縄には 心の奥に突き刺さるような
建造物や芸術作品は
全く残っていないが、
歌と踊りがある。

自然災害があり、島津の人頭税があり
米軍基地ができ、
そういう、いろんな災い故に
形になるものは何も残らず、
形の必要ない歌と踊りだけが
残ったわけだ。

歌について、
「本質的には一回限りである。
繰り返されることはない。
そこにはその人間の全容、
そしてその民族の生き方、
歴史、生活、運命の全部が
その時一回限りの状況の中に、
よろこびと悲しみの
たかまる瞬間に浮かびあがる
一回だけの表情として、
そのかぎりにうち出され、
しぼり出されるのだ。」
と書かれていて、
私はなんとなく、
「うまいだけ」で
何も心に響かない音楽が
なぜ心に響かないのか?が
わかったような気がした。

読んでると、
エネルギーを分けてもらえたような
気がしてくるよね。
岡本太郎。
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