お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ『あずきまる』

読書フルーツ『あずきまる』
2019年 読書その56
『あずきまる』

出版不況といわれるなかで、
唯一、好況なのが「絵本」らしい。
だから この期に及んで
私がわざわざ絵本の良さを
説明する必要はないのですが、
まだまだ知らない人は多いと思うので
微力ながら ここで、
読んだ絵本のことを
書いていきたいと思っています。

絵本の何が良いかというと、
「お話が短いこと」。
これは大切なポイントです。
子供が飽きない。

子供が飽きないのですから、
大人も飽きません。
短いお話のなかに
しっかりと起承転結があり、
お話によっては
転々としすぎてしまいますが、
それでも しっかり結ばれています。

絵本には 言いたいことを
わかりやすく、面白く、
興味深く聞いてもらうための
ノウハウが詰まっていますので、
人前で話すことが苦手な方なんかにも
オススメです。

『あずきまる』は
たぬきに育てられたあずきです。
あずきは どうせ食べられるなら、
ピカピカ輝く、
自分たちのそっくりさんに
食べられたいと思っています。

かたや、たぬきは、
美味そうなあずきを
食べてやろうと思っていますが、
風体は ピカピカとは正反対、
モジャモジャで、とてもとても、
あずきの条件を
満たしているとはいえません。

さてさて、
あずきたちのことを
たぬきは どうやって
食べるんでしょうか。
あずきと
たぬきの駆け引きにも注目です。

こういう、
メルヘンな世界に
いちいちツッコミを入れたい気持ちは
ものすごくわかります。

なんで あずきが喋るねん。
なんで たぬきがあずきを
育ててるねん。
なんで あずきは
自分たちとそっくりさんに
食べられたいと思ってるねん。
エトセトラ。

わかるけど、
そこを一回更地にして、
物語に入り込むっていう作業を
何回か繰り返してみたら、
絵本の作法が身について、
そこからスイスイスイっと
のめり込んでいける気がします。

郷に入りては郷に従う、とか、
異文化共生とか、
そういうことも、
絵本が教えてくれてる気がします。
TOP