お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ『お願いフェアリー22巻』

読書フルーツ『お願いフェアリー22巻』
2019年 読書92『お願いフェアリー』

「お願いフルーツ」と似ているから
気になって実際に読んでみた
児童小説の最新刊です。

対象となる読者は
おそらく小学高学年です。
主人公の「いるか」は小学6年生。
同級生の「柳田」に
想いを寄せているのですが、
内気で おそらくルックスにも
コンプレックスを抱いているため、
柳田にその想いを
伝えられずにいます。

そのうえ、
柳田は めちゃくちゃ賢くて、
いるかは その分野にも、
さほど自信があるわけではないので
そのあたりにも引け目を
感じているようです。

そんな いるか には
他の誰にも見えない
妖精のフェアリーがいつも一緒にいて
恋や学校生活に関する
アドバイスをしてくれます。

細かいことは 端折りますが、
今回 6年生ということで、
ついに受験がやってきます。

柳田は成績が優秀なため、
いるか が受ける中学校とは違う、
賢い子ばかりが行く
学校の試験を受けます。
この中学校には
いるか の恋のライバル、
(あかん、名前忘れた)も
行くつもりをしています。

柳田と ライバルは
同じ中学を受験するのです。
いるか は
この中学校を受験しません。
いや、できません。

成績のことも理由の一つですが、
それ以上に物理的にどうしても
その中学校を
受験できないことになります。

見せ場は 多々あるのですが、
私が心を打たれたのは、
柳田が試験を受ける場面です。
誰もが認める「かしこ」で、
合格確実と言われていた柳田が、
なんたることか、
ケアレスミスを侵してしまい、
(具体的な内容は伏せる)
「ヤバイ」状況に陥るのです。

どうして そんな
ヤバイ状況に陥ったかというと、
その理由には
いるか が大きく関わっているのですが
私が どうして ここの描写に
ぐっと来ているか、といいますと、
私が大好きで これまでに
何度も何度も読み返している
北方謙三の『水滸伝』で、
主要人物が死ぬときの描写に
とても似ていたからなのです。

まさか児童恋愛小説のなかに、
あの男の浪漫の金字塔ともいえる
北方水滸伝の要素を感じるとは
思いもよらなかったため、
私は とにかく感動したのです。

まもなく四十のおっさんでも
これだけ心を
揺り動かされるのですから
わからないものです。

まさに縁は異なもの。
お願いフルーツをやっててよかった。
『お願いフェアリー』、
是非皆様にも読んでほしいです。
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