京都フルーツ

読書フルーツ『京都の壁』

読書フルーツ『京都の壁』
2019年 読書101『京都の壁』

『バカの壁』がベストセラーになり、
続編なのかはわからないけど、
壁シリーズで刊行された京都本。
(だったと思う)

なんとなく、有名人の書いた本って
きっかけがないと
読むのが恥ずかしいといいますか、
そんな気持ちになるので、
いまだにその理由で村上春樹や
東野圭吾、伊坂幸太郎なんかは
読んだことがないんですが、
こないだ鷲田清一さんの対談集で
養老さんと話しておられるのを
読みまして、それが面白かったので、
あ、有名な人は有名なりに、
やっぱり面白いな、と思って、
ふらっと図書館で借りてみました。

外から見た京都っていうテーマは
正直 もう、飽きてるんですけど、
それでも 面白い人が書くと、
面白い仕上がりに
なっているものです。

興味深い点はいくつかありましたが
一つ挙げますと、
本物の文化財や美しいもの、
正真正銘の歴史が
身近にたくさんあるため、
京都は芸術を受け取る能力が
長けていると。

これは 割と皆さん、
最近取材させていただいた
能楽 金剛流の宗家も、
茂山狂言の茂山千作さんも、
そうおっしゃっていました。

ただ、それは
京都に生まれたら自然に
身につくものではありません。
しっかりと その価値に敬意を抱き、
向き合うということをしなければ
歴史的文化財も ただのガラクタです。

京都に住む人皆んなが平等に
物の価値のわかる
人間であるはずがなく、
貧困な自身のフィルターに通すことで
京都を価値の無いものに
してしまう愚かな方もおられます。

そうならないように、
何が出来るのか、といえば、
できるだけ、自分勝手なフィルターを
取り外し、まっさらな心で
作品と向き合うことでありましょう。

変にフィルターを通してしまう人は
つまり、自惚れが強いのです。
だいたい、
たいした人間ではないですけどね。

話が逸れましたが、『京都の壁』、
面白かったですので、
京都という街について、
客観的な視点を加えてみたい方、
是非読んでみてほしいです。
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