お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ『命売ります』

読書フルーツ『命売ります』
2019年読書118『命売ります』

三島由紀夫の長編小説です。
自殺を試みるも 失敗してしまった男が
新聞に「命売ります」と
広告を出したところ、
彼の住処に次から次へと
依頼人がやってきます。

最初のうちは
命なんぞ要らないから、
早く俺の命を買って
適当に殺してしまってくれ、と
願う主人公なのですが、
次第次第に「死に方」にこだわり、
死ぬことに恐怖を抱くように
なっていきます。

おそらく三島由紀夫作品のなかでは
異彩を放つ作品だと思うのですが、
以前紹介した
『レター教室』しかり、
この三島由紀夫らしからぬ作品が
三島由紀夫という人の凄みを
知らしめているように思うのです。

だいたいが
作家にしろミュージシャンにしろ
お笑いにしろ、
1つの「型」を見つけるのにさえ
皆さん苦労されているのに、
三島由紀夫は いとも簡単に
(そう見えるだけかもしれないけど)
自らの「型」を破り、
新しい「型」で表現しています。
まさに型破りな作家さんです。

実は私、
逆に「これぞ三島由紀夫」的な
『仮面の告白』『金閣寺』は
高校生の頃、途中で
読むのを断念していますので、
今度は 久しぶりに
そっちのほうも読んでみようかと
思っております。
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