京都フルーツ

嵐山の美術館

嵐山の美術館
僕が1人目の客になれなかった
嵐山の福田美術館は
消費者金融大手「アイフル」
創業者の福田さんがオーナーです。

「アイフル」は京都の企業。
京都に何か恩返しがしたい、
というような思いから
「100年続く美術館」をコンセプトに
設立されました。

100年続く美術館の1人目の客に
なれたら、それだけで
歴史に名前を残すことになるのに
一歩及ばず2人目であったことは
残念でなりません。

厳密にいえば、
並んでいた途中、
1人目のおじさんの奥さんとみられる
女性が入ってきていたので、
私は2人目ではなく、
3人目なんですが。

まさか あのご夫婦も
後ろに並んでいる男が
1人目にこれほどまでに
執着している
人間だったとは思うまい。

さて福田美術館は
所蔵点数約1500点。
円山応挙、俵屋宗達、尾形乾山、
伊藤若冲、与謝蕪村、竹内栖鳳、
上村松園、呉春、竹久夢二・・・

ここに書いた人たち、
全員 携帯の予測変換で
ちゃんと名前が出てきました。
とにかく錚々たる顔ぶれ!

10月1日から開館記念展が
開催されていて、上記の
日本を代表する芸術家たちの
隠れた名作がズラリ並んでいます。
しかも展示作品のほとんどが
写真撮影オッケー。
これはやはり、
いわゆる「インスタ映え」を
意識してるんでしょうか。

「インスタ映え」とか、
言うの、ほんまに恥ずかしい。

メディアの人間にしろ、
イベントを企画される人にしろ、
どなたにしろ、
いま、すでに
「インスタ映え」なんて言葉を
使うことは 恥ずべきことでしかない、
ということを
ちゃんと理解すべきです。

わかったうえで、
あえて使うのなら、
それはそれで面白いのですが。

新しい言葉というものは、
大人が使いはじめる頃には
もう腐っていますからね。
それを これ見よがしに
最先端っぽく使うおじさんほど
痛いものはありません。
皆さんも気をつけましょう。

さて。
そんなインスタ映え意識か
どうか、わかりませんが、
写真撮影オッケーの福田美術館。
私は大好きな竹久夢二と、
伊藤若冲の鶏の男前が過ぎたのと、
日本画で描く古代ギリシャの哲学者が
カッコよかったのとを撮りました。

面白いもので、
撮ってよいといわれても、
これ!ってやつしか
撮らないものですね。

それが 作品に対しての
観る側のささやかな
美意識ではないかしら。
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