京都フルーツ

閉店したお店の話

閉店したお店の話
オープンしたお店の
1人目の客になることを
趣味にしている私ですが、
閉まるお店のことも気にはなります。

SUINA室町がオープンして、
なかにできた大垣書店が本店になるまで
「なんで あれが本店やねん?」
という世間の声を受け流しつつ、
本店であり続けた
烏丸北大路のあの大垣書店が、
10月12日をもって閉店しました。

大学を卒業したあと、
鴨川 出雲路橋西詰の
「グッピーハウス」に住んでから、
まだまだ社会の厳しさから逃げながら、
少し背伸びをして難しい本を
買うことで満足してしまっていた
あの頃、私の自己満足の
サポートをしまくってくれたお店。

「こんなに難しい本を読む俺」

みたいな。
とても恥ずかしい自己顕示欲を
思う存分に満たしてくれた書店の一つが
間違いなく大垣書店本店でした。

あの雰囲気をさらに洗練させて
いまはSUINA室町のなかに
本店があるので、
週に一回、店内を徘徊しています。

大垣書店は
四条烏丸を上がったところにも、
烏丸三条にもあるし、
SUINAにもあるし、
そっちのほうが書店としての
クオリティは高いと思うんですけど、
そういうのを度外視できるくらいに
思い出とは 重たいものなのです。

ずっとあそこに居てほしかったのに。

いやはや、
普段はオープンするお店ばかり
追いかけていますが、
閉まるお店にも 興趣があるものだ。
いや、世の中的には
こっちのほうが理解があるのかしら。

オープンするお店に並ぶのは
お花見に似ているけれど、
閉店するお店に別れを告げるため
入店するのは紅葉狩りに
似ている気がする。

人が本能的に共感を覚えるのは
桜or紅葉ならば、
おそらく後者なんだろうね。

知らんけど。
TOP