お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ『私家版 日本語文法』

読書フルーツ『私家版 日本語文法』
2019年 読書140
『私家版 日本語文法』

日本語の文法について
井上ひさしが論じる本です。
図書館で借りたのですが、
家の本棚にもありました。

日本語のことが書いてあると
ついつい手にとってしまうのですが
家に置いてるほうは
今回図書館で同じ本を借りなければ
忘れ去られていたものなので、
とりあえず買うけど、
読むのは後回しにする程度に
私は日本語のことに興味を
持っているらしいです。

読んでみると、
目から鱗な話題ばかりで、
どうしてこんな本を
私はこれまで、
ほったらかしにしていたのか、と
自分で自分を責めるわけですが、
どうして読まないかといえば、
やっぱり「締切」が
ないからですよね。

どれだけ好きなものでも、
「趣味」ではなく、
いざ「勉強」となると、
どうしても後回し後回しに
してしまいがちになりますから、
どうしても
読まないといけないものは、
どうしても「締切」を
設けなければなりません。

難しいことが書かれているのに
割とぐいぐい読めていけたのは
井上ひさしの文章力に
よるところが大きいのでしょう。

こういうエスプリの効いた
おじいちゃんになりたい。

一つだけ面白かったポイントを
挙げるというのも難しい話ですが、
「否定」「拒絶」には
「n」の音がよく使われる、
というのは「確かに!」と
思いました。

日本語なら
「ない」「なんにも」「〜するな」
英語なら
「no」「none」「nothing」
フランス語でも
否定はnの音を冒頭に
持った語の専売らしい。
(「ne〜pas」とか)
ドイツ語、スペイン語なんかも
そうらしい。

宮沢賢治は比較的、
「n音」を
よく使う作家らしいのですが、
『雨ニモマケズ』は
非常に「n音」が少なく、
それは この詩を否定や拒絶から
遠ざけ、素直で清澄な祈りに
したのではないか、
とも書かれていて、
いやぁ、なんかすごい世界の
扉を開いてしまったな〜と、
思いつつも、
本棚に置き去りにしたまんまに
しておかなくてよかった、と
改めて「締切」の大切さについて
学んだのでした。

図書館よ、
貸出締切を設けてくれて、
ありがとう。
家にあるから別にいいや、と
締切を無視しなかった
自分のことも褒めてやりたい。
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