お願いフルーツ「その他」

読書フルーツ『雪国』

読書フルーツ『雪国』
2019年読書141『雪国』

国境の長いトンネルを抜けると
雪国であった。

有名すぎる冒頭の一節を
知っているだけで、
読んだことのなかった小説。

初出が1935年ということですから
いまから84年前!戦前です。
『古都』は割と
読みやすかったのですが、
こっちは なんとなくでは読めない
難解さがありまして、
真剣に向き合いながら
読むしかありませんでした。

文体だけなら
二葉亭四迷の『浮雲』のほうが
読みにくいのですが、
あっちのほうが、
割とすらすら読み進めていけたのに
『雪国』が
なかなかの強敵だったのは
単純に相性の問題も
あるんでしょうけど、
あまり見聞きしたことのない
環境が舞台だから、
なのかもしれません。

それでもこの話はすごいな〜と
思ったのは、
島村と駒子の二人の会話が
やけに艶っぽくて、
欲情を刺激するところですね。

なんかよくわからんけど、
この二人がどういう関係なんか、
そうか、そういう関係なんですね、
と腑に落ちていくまで、
すごくいけないものを
見てしまった気持ちになりました。

なんかよくわからんのに。です。

結局 最後まで、
あんまりよくわからないまま
読み終えて、
恥ずかしながら、
インターネットであらすじを
読んだりしながら、
「ああ、そういうことか」と
納得したわけなんですが、
それほどまでに、
よくわからなかったのに、
二人の関係について、
秘密の扉を開けたときのような
気持ちにさせてくれて、
手に汗握りながら読みましたね。

こいつは、
今回で終わりにするのでなく、
ほとぼりが冷めてから、
二回三回と真剣に
向き合わないと
いけないような気がします。
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