京都フルーツ

読書フルーツ『夜は短し歩けよ乙女』

読書フルーツ『夜は短し歩けよ乙女』
2019年読書149
『夜は短し歩けよ乙女』

森見登美彦さんの
京都を舞台にした小説ということで
これまで何度も何度も
触手は伸びつつ、
結局読まなかった一冊なんですが、
ついに読んでみることにしました。
図書館の魔力ですね。

京都大学らしき大学の
4年生の「先輩」は
後輩の「黒髪の乙女」に
恋するのですが、
なかなか奥手な男なので、
声を掛けることもままなりません。
「黒髪の乙女」に偶然を装い、
街中でバッタリ出会う風にして
「奇遇だね」と挨拶する程度。

作られた偶然であることを
「黒髪の乙女」のほうは
全く気づかず、
「よく会う先輩」としか
思っていません。

私は割と「先輩」と似た感じで
外堀を埋めていくタイプなので
「先輩」には割と共感を
覚えたのですが、
「黒髪の乙女」のほうが、
全く「先輩」の気持ちに
気づかないものですから、
歯痒くて歯痒くて
仕方ありませんでした。

途中、
絶対に嘘やと思いましたしね。
そんなに気づかないわけがないと。

こうやって、
気づかないフリをして、
男の気持ちを
弄んでるだけやろ、と
思いましたが、
どうやら本当に
気づいていないらしく。。

こんなに鈍い女いるかな〜と
思いつつも、
いて欲しいな〜とも思ったり。

あとは文章がいちいち、
うまいこと表現したろう、
という感じがあり、
腹が立ちましたが、
その感じにぐいぐいと
ひき込まれる自分もいて、
それがまた余計に腹が立って。
という繰り返しでもありました。

京都が舞台なのに、
突如としてファンタジーな世界に
連れていかれたりもして、
なかなか一癖も二癖もある
物語でした。
何回も読めば、
読むほどに違う発見のありそうな
お話です。
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