お願いフルーツ「その他」

欠航と決行

欠航と決行
趣味の話ばかり書きがちですが、
本業はラジオのお仕事です。

ラジオは
聴覚に訴えるメディアなので、
視覚に訴える雑誌などとは
表現を変えなければならないことが
よくあります。

よくあるにも関わらず、
残念ながら今という時代は
「見るメディア」に
「聴くメディア」は
押されがちのため、
「見るメディア」の価値観が
ラジオの世界にも
侵食しております。

故に雑誌の理屈を
ラジオにも当てはめてしまう方が
非常に多くなっています。
雑誌に携わっている方が、
そうなってしまうのは
仕方のないことですが、
問題なのはラジオに
携わっている方までもが、
ラジオの原稿を雑誌の理屈で
押し通そうとすることです。

このままでは
ラジオはどんどん、
悪くなっていきますから、
微力ながら、こういう場所で、
「聴くメディア」について、
発信していけば、
悪化する速度を少しでも
遅らせることが
できるのではないか、と思い、
こうして文章を
書いている次第です。

今日のニュースの中に
こんな文章がありました。
(「文章」でいいのかな?
まぁ、いいや。)

「強風のため空の便にも
影響が出ていて、
日本航空は午前11時半の時点で
きょう西日本の空港を発着する
合わせて104便の欠航を
発表しています。」

この文章、
目で読むのには
全く問題はないんですが、
耳で聴いてみると、
「欠航」が「決行」に
聴こえてしまう可能性があります。

「欠航」つまり、
「運航しない」はずなのに、
「本来は運航なんてできる状態では
ないけれど決死の覚悟で
運航します」というニュアンスに
聴こえてしまうと、
情報が正反対になってしまいます。

いやいや、
前後の文脈で「欠航」だと
わかるだろうというのは、
その通りなんですが、
一瞬「?」となってしまう。
その「?」は
なるべく取り除いてあげたいのが
心情というものではないですか。

それならば、
「104便が運航しないことを
発表しています」と言うほうが
親切であろうとは思うのです。

細かい。
我ながら実に細かい。
しかし、
そういう細かいところを
気にして放送している、
ということはわかってほしい。
そこの細かさを
理解してくれる人と仕事がしたい。

少なくとも、
その細かい部分のことを
「小さい」と嘲笑うような人には
ラジオを語ってほしくないですね。

我ながら、
「結構」小さい話ですみません。

TOP