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谷風のエピソードは聞き飽きた

谷風のエピソードは聞き飽きた
涌井慎です。
趣味は新聞各紙のコラムを
読むことです。

3月9日。
まずは「朝日新聞」を引用。

「自分を土俵で倒すことはむずかしい。もし倒れているのを見たければ風邪をひいたときに来い」。そう豪語した江戸中期の力士谷風は1784年、流行した風邪にやられて床に伏す。当時の人々はこの風邪を「谷風」と命名した。」

この「谷風」なる風邪が
いまでいう
悪性インフルエンザだった、
ということなのですが、
この3ヶ月ほどの間に、
この谷風の話は、
もう「読み飽きたよ」というくらい
各紙に取り上げられているので、
正直、「朝日新聞」には
「いまさら感」がありました。

インターネットが普及してから、
「ねえ、知ってる?
昔谷風っていう力士がいてさー」
「はいはい、
ネットの記事で読んだ読んだ」
という流れがとても増えました。

「自分だけが知ってる情報」として
情報を扱うのは
我々一般人にとって、
もはや滑稽ですらあります。
「朝日新聞」のコラムに
滑稽さを感じたのも、
その「知らないでしょ?
教えてあげる感」が
あったからだと思います。

新聞などメディアと
一般人とでは
情報の扱い方も
変わるとは思いますが、
それでも
特別なスクープでない限り、
情報の速度を競っても、
所詮みんな、
同じインターネットで
情報を得ているのだから、
そこに意味はないのです。

そこに意味を見出そうと、
わざわざ情報弱者を探して、
その人に対してマウントをとる、
という非常にくだらないことに
精を出すおじさんもいますが、
底が知れておりますな。

大事なのは速さではなく、
その記事から、
何を読み取ったか、なんですよね。

であるから、
私はいくら「またか」と
思ったとしても、
朝日新聞の谷風ネタから、
何かを掴みとりたいわけです。

それでは私は
朝日新聞の谷風ネタから、
何を掴みとったのか、というと、
つまり、情報はもはや、
速度ではなく、
知ってる知らないを
競うものでもなく、
どう転がしていくか、
どう展開させていくのか、
そのアレンジ力を
育てていかないといけないなーと。
そういう思考に
辿り着くことができたわけです。

ところで大相撲といえば、
春場所は無観客であることばかり
クローズアップされていますが、
本来は先場所幕尻で優勝を果たした
徳勝龍の取り組みではないかと
思うんですよね。

徳勝龍の地元奈良の「奈良新聞」は
さすがに徳勝龍のことを
取り上げていました。

以下、括弧内引用。
「徳勝龍は新関脇の正代に敗れ黒星発進となったが、動揺することなく巻き返しに期待したい。」

しかし、
幕尻で優勝を攫われ、
他の力士の嫉妬やら何やらの
怨念の強さは凄まじいものがあると
推察されます。
一躍時の人となり、
メディアには引っ張りだこで、
側から見たら調子に乗ってる感じに
見えたでしょうし、
知りませんけど、
女にもモテたんじゃないでしょうか。

その浮かれた感じを
苦々しく思っている力士が
大勢いたとして、
なんの不自然もありません。
むしろ、
そう在ってほしい。
綺麗事でぶつかるんではなく、
思いっきり、そのドロドロした部分を
対徳勝龍にぶっつけてこそ、
大相撲は面白いんだと思う。
それこそが、
ヒューマンドラマと
いうものでしょう。

徳勝龍は二日目も敗れたみたい。
正代に続いて、
二日目は朝乃山ですか。
なんか、どっちも
ジェラシー強そうじゃないですか。
普段の五割増しで
当たりは強くなるでしょうから、
無事是名馬で知られる徳勝龍も
今場所は気をつけないと、
初休場なんてことに
なるかもしれない。

そのくらい、
私は今場所の対徳勝龍の怨念の
重々しさを感じるんですよね。

とにかく徳勝龍には
臆病風に吹かれることなく、
周りの怨念なんぞは
どこ吹く風とばかりに、
明日から勝ち星を
積み重ねてほしいものです。
向かい風を己の手で、
追い風にしてほしい。
「谷風」にも気をつけて!
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