お願いフルーツ「その他」

侵攻した寺院

侵攻した寺院
同音異義語、
同じ音なのに
意味が違う言葉です。

どうやって意味を判別してるか、
というと、
多くの場合、
漢字の違いで判断しますね。

「最近」なのか「細菌」なのか、
「席」なのか「咳」なのか、
「観戦」なのか「感染」なのか。

「ライブハウスでかんせんした」。

ものの3ヶ月ほど前までなら、
ライブハウスで
プロレスか何かが行われていて、
それを観戦したのかな?と
判断したかと思いますが、
いまは残念ながら、
「感染した」となりがちですね。

平仮名ではなく、
漢字で書けば、
バカじゃないんだから
判断は付くだろう、と
思われるかもしれませんが、
漢字が存在しないのが、
音のメディア、ラジオです。

先日はこんな原稿がありました。
「光秀が居城とした丹波亀山城や
城下町、侵攻した寺院など、
数多くのゆかりの史跡が
残されています。」

いかがですか。
字で見れば、どこにも
問題はないようですが、
これを耳で聴くだけだったら
どうでしょうか。

まさか史跡を歯石だと思う方は
いないと思いますが、
私はこの原稿を読まずに
聴くだけなら、
寺院は「侵攻した」のではなく
「信仰した」のだと
判断するかもしれません。

現代を生きる私たちにとって、
お寺はあまり
侵攻するものではありませんね。
信仰のほうが、
思い浮かびやすいのではないかしら。

こういう例は、
読む側も作る側も、
私も含め、
あまり考えが及ばないところ、
なんですが、
「侵攻」を「攻撃」とか、
「攻めた」とかに変えれば、
誤解がなくなるのかなとは思います。

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