明日を生きるヒントに。岩橋3選

連休明け、新学期……いつだって少し切ない夏の終わりに聴きたいナパーム・デス3選

連休明け、新学期……いつだって少し切ない夏の終わりに聴きたいナパーム・デス3選
こんにちは。

お盆休みが終わり、お仕事が始まったという方も多いかと思います。溜まった仕事を前に憂鬱な気持ちの方もおられるのではないでしょうか。

小学生の皆さんは夏休みの宿題は終わりましたか?できるだけ涼しい午前中の内に勉強の時間を作って、計画的に勉強する習慣をつけるようにしましょう。


夏の終わりは切ない



皆さまは、今年はどんな夏を過ごしましたか?
海や山に行ったり、川でバーベーキューをしたり、夏祭りや野外フェスに行ったり……夏は楽しい事が沢山ありますね。
それだけに、夕方、ふと涼しい風を感じたりすると「ああ、夏ももう終わりか」と、寂しい気持ちになってしまいがち。

そこで、今回はちょっと切ない夏の終わりに聴いて元気になりたい時におススメの、ナパーム・デスのナンバーをピックアップしてみました。

「明日会社行きたくないな」「夏休みの宿題終わらないよ」とお嘆きの皆様。まだ夏は終わっていません。まだまだ最後まで夏を楽しみたいあなたの毎日を、少し元気にしてくれるかもしれません。ご査収ください。

そもそもナパーム・デスとは

ナパーム・デスとはイギリス、バーミンガムで結成されたバンドで、グラインドコアの始祖的存在として知られています。

グラインドコアというのは、極限まで速さや重さや怖さを突き詰めた結果誕生したハードコアパンクの中でも狂暴で凶悪な類の一つです。ブラストビートに乗せて、(主に政治的な)過激で率直な主張や、生肉が飛び散ったり、頭蓋骨かち割ったりする世界観を綴った歌詞をデスボイスに込めて高らかに歌いあげます。

これまでにもあった、ドラムのブラストビートにスポットを当てつつ、より重く、より速く、よりノイズにまみれさせたナパーム・デスの革新性は、アメリカのBRUTAL TRUTHや日本のS.O.Bなどと共鳴し、グラインドコアという、ひとつの音楽の形を形成するに至ります。

ハードコアパンクの中の潮流の一つであるグラインドコアはそれ自体もゴアグラインド、デスグラインド、ポルノグラインドといった派生を生んでいき、今日に至るまで、世界中のライブハウス、フェス会場で暴徒を生み出し続けています。


おススメナパーム・デス3選



①「Musclehead」/ アルバム「From Enslavement To Obliteration」収録





冒頭のドラムの「ズダダダダダダダダ」というリズム。これがブラストビートです。もの凄く速いですね。大変な技術がいるそうです。

1回の振りで2回スネアを鳴らす「グラヴィティ・ブラスト」という技もあり、この技を使ってBPM200以上でブラストビートを鳴らす猛者もいるとか。中学1年生がノートに書いてる技の名前のような趣がありますが、やはり大変な技術であることに間違いはありません。

いかがですか?「ズダダダダダダダダ」というビートがヒグラシの「カナカナカナカナ」に聞こえてきませんか?

万が一、そう聞こえてきた場合は水分をよく取って、3時間程涼しい部屋で休憩してください。



②「Smash A Single Digit 」/ アルバム「Apex Predator - Easy Meat」収録





ナパーム・デスは1981年結成ということなので、今年で結成37年です。本当に凄い事ですね。40年近く自分たちの音楽をストイックに研ぎ続けているのには脱帽です。決して誰にでもできることではありません。

これは2015年発売の現状での最新アルバムということになります。MVも曲もカッコいいですね。40年かけて、ある種のキャッチーさも獲得しながら、同時に、より重く、より速く、より怖いグラインドコアになっている所が凄いですね。

ところで、そんなナパーム・デスですが、現在オリジナルメンバーは1人も残っていないそうです。

え……?普通、一人くらいはオリジナルメンバーが残っているものだと思うのですが、違うのでしょうか。しかし、彼らにとってそんな事は全然問題ではありません。

各地に残る盆踊り同様、口頭伝承によって受け継がれてきたフォルクローレ的世界観、それがナパーム・デスなのです。その姿はイギリスにおける河内家菊水丸と言っても言い過ぎではないのかもしれません。



③「You Suffer」/ アルバム「scum」収録

こちらの曲はある種ナパーム・デスの中でも最も有名な曲かと思われます。「トリビアの泉」で取り上げられたこともありました。





演奏時間1秒。正確には1.316秒です。「You Suffer But Why?(お前は苦しむ、しかし何故だ?)」と歌っています。聞き取れましたでしょうか。聞き取れることはおそらくないでしょう。


この曲は私たちに問いかけます。

私たちはなぜ苦しむのでしょうか。


短い夏。日本の夏。夏は一瞬のきらめき。だからこそ夏は楽しく、美しく、かけがえのない思い出の季節となりうるのではないでしょうか。
1秒の曲を40年やり続けてる(オリジナルメンバーいないけど)ナパーム・デスという集団。

夏は短いから尊い。そして、去り行く季節は巡りやがてまた夏が来る。彼らはそんなプレシャスな夏を身を以て体現する夏集団。

ナパーム・デスは、グラインドコア界のTUBE。いや、グラインド界という垣根を越えて、もはや彼らがTUBEなのです。

「夏が終わるからって苦しむ必要はないんだョ」

というナパーム・デスからの1.316秒のメッセージ。そのメッセージを心に留める事で、私たちは過ぎ行く夏に別れを告げ、来年の夏を楽しみに待つ事ができるのかもしれませんね。

ちなみに、「You suffer」のライブ動画がありましたのでご紹介しておきます。




めっちゃ盛り上がります。

終わりに

ナパーム・デスのメンバーは大変な親日家で、特にボーカルのマーク・グリーンウェイさんは日本が大好きである事を公言しています。
日本への移住の意志を語るだけでなく、東日本大震災の時はチャリティーイベントを企画したり、単なる親日家を越えた素晴らしい活動をしています。

ストイックにハードコアに、音楽を突き詰めるナパーム・デス。日本が大好きなナパーム・デス。そして、夏の伝道師としてのナパーム・デス。

平成最後の夏の終わりのひと時、「From Enslavement To Obliteration」を聴きながら線香花火をしてみたり、スイカ食べてみたりして、残り短い夏をエンジョイしてはいかがでしょう。

それではまた次回。
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