明日を生きるヒントに。岩橋3選

年末の様々な「めんどくさい」と向き合う為に聴きたいインストゥルメンタルミュージック3選

年末の様々な「めんどくさい」と向き合う為に聴きたいインストゥルメンタルミュージック3選
こんにちは。寒くなってきましたね。風邪などひかれていないでしょうか。年末年始に向けてご自愛くださいませ。

年末は色々めんどくさい




年末は何かとやらなければいけない事が多く、バタバタと忙しい時期です。ただでさえ仕事などが忙しいのに加えてやる事がどんどん重なってきますね。
「ゆっくりしたい……」これは全人類の切なる願いだと思いますが、この時期はなかなかそういうわけにもいきません。しかも、この時期に課せられるやらなければいけない事はどうも「コツコツやらなければ達成が難しい」系タスクが多いような気がします。個人的にコツコツやるのがなによりも苦手な性分なので、年の瀬が迫るに連れ、心の余裕がなくなりスパークして飲みに出かける、と言う事をもう何年も繰り返しており、今年も早速色々な事が溜まり始めていて、カレンダーを見つめて震える日々を過ごしています。
「一年の計は元旦にあり」さすれば、一年を美しく終える為にも年末の諸事は美しく終えてしまいたい所。

というわけで、今回は年末の様々な「めんどくさい」と向き合い、粛々と作業に立ち向かう際に少しは約に立つかもしれないインストゥルメンタルミュージックをタスク別に選出してみました。
似た様な境遇でお悩みの皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。ご査収ください。


忘年会の幹事



忘年会。職場や友人、仲間たちと一年の労をねぎらうこのイベント。
皆様も、所属する様々なコミュニティや組織の忘年会のご予定があるのではないでしょうか。
「いやー、今年は忘年会が○件入っててマジ大変っすわー」などと、牽制してくる輩もこの時期多くなりますね。

忘年会自体は楽しいものですが、これの幹事が大変です。やったことありますか?
「あれが食べたい」「これが食べれない」「お酒が飲めないから会費を安くしろ」「お金がない」などなど、集められる要望に対応しながらそれらをまとめあげ、お店のセッティング、参加者への連絡、店とのやり取り、会費の徴収、お会計などをこなさなければならず、目眩がする程面倒な役回りと言えるでしょう。


①阿部薫 / 暗い日曜日(1971年)





阿部薫は即興を基盤とした超激情型の演奏スタイルで天才の名を欲しいままにした日本のサックス奏者です。フリージャズの文脈で語られる事が多いですが、その気迫はジャズという枠組を越え、迫るものがあります。

フリージャズは枠組を解体し、感情をダイレクトに伝える芸術として昇華されてきました。いかがでしょう。これを聴いていると「僕、肉が食べれないんで焼き肉とかはやめてもらえますか」「私、お酒飲めないんで会費4000円は高いと思うんですよ」などの様々な主張を一掃できるような気持ちが湧いてきませんか?

そう、その感情は「怒り」です。

勝手なこと抜かすな。俺は焼き肉が食べたいから焼き肉で決まりや。会費は4000円や。全員一律や。飲めるとか飲めないとか関係ないんちゃうんか。と全てを振り切る怒りの感情。

そんな気持ちを阿部薫は思い起こさせてくれるでしょう。


年賀状の準備



年末、最も時間を圧迫すると言っていいのが年賀状の準備ですね。
子供の成長を写真におさめたり、何かのコスプレに興じたり、イラストの腕を振るったり、毎年様々な趣向を凝らした年賀状が知人から送られて来るのを見ていて「ちゃんとしてるなあ」と思わされます。

こんな風に楽しんで年賀状の準備が出来ている方々はいいですが、私のように、子供はいない、絵が描けない、コスプレする程の自己顕示欲もない人間にはなかなかハードルが高いのが年賀状。しかし、日頃お世話になっている方々にしっかりと新年のご挨拶を果たしてこそ、立派な大人というもの。なんとしても途中で投げ出さずやり遂げたいものです。


②ラヴェル / 水の戯れ(1901年)





「水の戯れ」は1901年、フランスの作曲家ラヴェルによって作曲されたピアノ曲です。
「テンポ・リズム共に一定を保ち演奏するべし」とラヴェルによって述べられており、非常に難度の高い曲ですが、物質としての水の動態を見事に表しています。

水が流れる様子、高い所から低い所へ落ちる動き、しぶきが上がる様子。そんな情景を目に浮かべながらこの曲を聴いていると知らぬ内に「無の境地」に到達している自分を確認する事ができます。

年賀状のデザインの制作、選定、過去に年賀状をやり取りした人々の名簿・住所管理、喪中の人の確認。「あけましておめでとう!今年も飲みに行きましょう」など、ちょっと添えるメッセージの記入。そんな淡々とした作業にすっかり没入し、気がつくとすっかり終わっていた、なんて事があるかもしれません。

私の今年の年賀状の準備は現時点で達成率ゼロパーセントではあるのですが。

大掃除



年末の諸事の中で最もハードルが高く、なあなあのまま年を越してしまう事がありがちなのが大掃除といえるでしょう。
掃除機をかけたり、お風呂やトイレを掃除したり、といった日頃の掃除に加えてキッチンの換気扇の掃除、エアコンのフィルター、ベランダ、玄関、家のありとあらゆる所を対象として、一年の垢を落とし、心身共に奇麗な状態で新しい一年を迎える大事な作業です。大事な作業なのは分かっているのですが、これがまた遅々として進みません。

私の場合は毎年、自分の部屋の掃除を始めてはみるのですが本棚やCDラックを整理している内に昔のSTUDIO VOICEを読み耽ったり、Suicidal TendenciesのCDを再生してヘッドバンギングしたり、使った事ないハンコをノートに押してみたり、貰い物のきれいなマスキングテープを眺めたり床に貼ったりしている内に、気がついたら1年が終わってしまっていた、というのがここ何年かのパターンです。

掃除はノってくるまでが大変です。自分を鼓舞し一息に終えてしまう、これが掃除の鉄則と言えるでしょう。

③Yesterday's New Quintet / Superstition(2004年 )





Yesterday's New Quintetは、アメリカのヒップホップ界で名を轟かせるトラックメイカー、プロデューサーであるマッドリブの別名義ユニットです。ビートミュージックの定石を踏まない独特の手法で作られるマッドリブの曲は、クオンタイズも無視した生演奏のような「揺らぎ」のあるビートが印象的です。Yesterday's New Quintetも架空のバンドメンバーが結成したジャズバンド、という設定のプロジェクトで、この曲はスティービーワンダーのアルバムをトリビュートしたもの。

掃除に必要なもの。それは「リズム」です。

たくさん掃除しなければいけない箇所があると膨大な課題を前に立ち尽くしてしまうものですが、掃除は、リズムに乗って体を動かして「やっていればそのうち終わる」ものです。まずは目の前に落ちているゴミを拾い、ゴミ箱に入れる。ちょっとしたホコリを拭く。そんな事の繰り返しが、やがて家全体の大掃除をやり遂げてしまうものなのです。
掃除のリズムを作り出す為に音楽をかける。これはひとつの有効な手段なのではないでしょうか。

私の大掃除はSuicidal Tendencies聴いてたおかげで全然終わってはいないのですが。

最後に

いかがでしたか?年末、仕事が溜まっている、年末調整の準備が終わっていない、色々な事に煩わされがちですが気分ひとつで案外乗り切れるものだと思います。
皆様もご自分の気分を上手く盛り上げる事で、溜まった仕事を一掃し、新たな気持ちで新年を迎えられるよう今から準備を進めて行きましょう。

それではまた次回。
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